それから半月ほどが経過し、美希の生活も落ち着きを取り戻したかに見えた。 だが、それはあくまで表面上だけであり、彼女の心は沈んだままである。 そして、完全に糸が切れたかのように手紙の魔力にのめり込んでいった。 もはや、その手紙は彼女の行動指針と言っても過言ではない。 しかも、ここに来て、その内容は美希に関するものばかりになっていたのだ。 洋服や下着を買う事、日帰りの旅行に行く事、髪型を変える事、運動をする事など、様々な事柄が毎日のように届けられる。 もちろん、その全てを彼女は実行していく。 手紙の内容を破るなど以ての外である。 こうして、美希は自分でも気づかないうちに、かつての彼女とは思えない存在になっていくのだ。 部屋の中では下着1枚で生活し、しかも毎日履き替えるような事はない。 その最初は白であっただろうショーツは、今では元の色が判別出来ないほど変色していた。 もっとも、体はほぼ毎日洗っているので綺麗なままであるが、逆にそのギャップが異様な雰囲気を醸し出している。 そして夜になると美希はベッドの上でオナニーに耽っていた。 「……はぁぁ…気持ちいい…」 薄汚れたショーツに手を入れながら、そのまだ未開拓の秘部をこねる彼女。 手紙で毎日するよう命じられてから、それは美希の生き甲斐と化していた。 しかも、ただ手淫に耽るのではなく、その手紙に同封された写真を材料に使っている。 それは、誰かもわからぬ男根の写真だった。 長いもの、皮を被っているもの、明らかに日本人ではないものなど千差万別であったが、美希はそれをベッドの脇に並べ全てに目を通しながらオナニーを続けている。 それが自らの記憶に焼き付けられるたびに、彼女の花弁からは熱い汁が洪水のように溢れ出した。 もはや、それを見なくても目を閉じればその全てが浮かんでくる。 …うぁ…はぁ…これが入ったら…どうなるんだろう… 快楽を貪りながら美希は思った。 元々興味が無かった訳ではない。 その機会と行為の意義さえあれば、素直に受け入れただろう。 しかし、今の美希にとっては、もう機会だけあれば望んで受け入たい… そんな思いになっている。 「……あぁ…い、イク…イっちゃうぅぅ…」 そして、今日何度目かわからない絶頂を感じると、彼女は口を半開きにしながら甘い声を漏らした。 「……はぁ…はぁ…気持ち…よかった…」 美希は満足そうな顔で天井を見上げる。 だが、程なく再び自らの秘部を弄りはじめるのだ。 睡魔が忍び寄ってくるまで。 それから数日後。 その日届いた手紙には以下のように書かれていた。 <明日、坂井美希は貯金を全額下ろして、以下の口座に寄付をします。とても満足した気持ちになれます> 「……………………」 その口座の名義は個人名で全く聞き覚えのない名前だったが、美希は何の違和感も抱くことなくその文面に納得すると、翌日銀行へと出向く事にする。 そして、その手紙の通りに彼女がこつこつと貯めていた金を全てその口座へと振り込んだ。 もちろん、何の躊躇いも湧き起こってはこない。 そればかりか、不思議と彼女の心は奇妙な満足感に包まれていくのだ。 まるで誰かに親切にしたような、そんな気持ち。 しかし、心の奥底には今でもちひろを失った焦燥感が残っており、全てが晴れ渡っていた訳ではなかった。 それでも、これまでよりは幾分マシと言えたかも知れない。 …さて、帰ろう 全てが終わると美希は足早に家に帰った。 手紙では特に他の事は書かれていない。 すなわち、何処へも行く必要はないと言う事だ。 しかも、今有り金は財布に入っている以外になくなっている。 何か買う余裕などあるはずもなかった。 こうして、美希が家にたどり着くと、また今日分の手紙が届けられていた。 美希はさっそく封筒を開いてみる。 <明日、坂井美希は恋ヶ窪幼稚園に休職願いを出します> すると、今度はそう書かれていた。 …あぁ…そうか… …もう…子供たちと一緒に遊べないんだな… …たかしくん…侑香ちゃん…さくらちゃん…智紀くん… それを理解した瞬間、彼女の頭の中に、いつも世話を焼いていた子供たちの名前が次々と浮かんでくる。 「……………………」 思わず涙が出そうになったのもわかった。 しかし、それでも美希はその手紙に逆らう事は出来ない。 「…ぐすっ…」 覚悟を決めたように涙を啜ると、彼女は机に向かい、紙とペンを用意し休職願いを書きはじめた。 そして、次の日、美希は朝一番で園長にその紙が入った封筒を差し出す。 園児の親からも評判が良く、しかもこの間ちひろが辞めている事情もあり、園長からは激しく留意されたが、美希は頑なに拒むと休職の手続きを済ませる。 同僚の千夏や、園児たちへの挨拶はしなかった。 顔を合わせれば、また気持ちが揺らいでしまうのは間違いなかったからである。 だが、手紙に書かれた事は守らなければいけない。 だからこそ、美希は逃げるように幼稚園を後にすると家へ戻る。 時間はまだ午前9時を回ったところだった。 当然、郵便が配達されるのにはまだ早い。 しかし、美希はそれが待ち遠しくて仕方なかった。 いや、不安でならなかったのだ。 もう彼女は、その手紙を読まなければ明日の予定すら一人で立てる事は出来なくなっていた。 「…………………」 とりあえずは部屋に入り、服を脱ぎブラジャーとショーツだけの姿になると、ベッドに横たわりながらドアの向こうへ耳を澄ます。 他に何もする気にはなれなかった。 少しでもバイクの音がすれば顔を起こし、それが郵便配達ではないとわかると再び顔を伏せる。 そんな繰り返しで、時間だけが過ぎていった。 …はやく…来て… …読まないと…私… 美希は何度もそう心の中で叫んだ。 それは悲痛とも言えるものである。 だが、普段なら昼頃には来るであろう郵便が、この日はまだ来ていないようだった。 もちろん彼女は、自分の聞き逃しではないかと、何度も外に出ては郵便受けを確認する。 しかし、その中には何も入ってはいなかった。 …どうしてこないの… 美希は胸が締め付けられる思いである。 それは合格発表の電報を待つ受験生の気分に似ていた。 もっとも、桜が咲くか散るかの二者択一な後者に対し、彼女の場合はそれが来ない事には全てが成り立たない状況である。 「…………………」 美希はベッドにうつぶせになりながら、顔を上げると掛け時計を見上げた。 その盤面には猫がお茶を飲んでいる絵がプリントされており、時間は午後1時50分を差している。 それは1年ほど前、ちひろにプレゼントして貰ったものだった。 …早く来てよぉ… 半泣きになりながら美希はシーツを握りしめる。 今にも気が狂ってしまいそうだった。 だが、不気味なほどの静けさが部屋を包んでいる。 とても、今すぐに郵便配達が来るようには思えなかった。 「…早く…早く…来てぇ…」 美希は藻掻くように叫んだ。 まるで酸欠にでもなっているかのような気分。 彼女は下着姿で悶えながら、ただただバイクの音が聞こえるのを待った。 …ガタン すると、微かに外で物音が聞こえてくる。 「…ま、まさか…」 美希はベッドから飛び上がると、まるで這うように玄関へと走った。 そして、震える手で鍵を開け、外へと飛び出る。 すると、その勢いに深緑色のジャンパーを着たヘルメット姿の男が驚いて振り返った。 「…うわぁ…」 彼は短く悲鳴を上げる。 目の前のドアからは薄汚れた下着だけを纏った若い女が、目を血走らせながらポストに目を向けているのだ。 声を上げるのも無理はなかった。 しかし、彼女は男の声など耳に入っていないかのように、彼が配達した手紙を大事そうに抱えると部屋に戻っていく。 …なんだったんだ…? 男は狐に抓まれたような目でそう思った。 …やっと…来た… その頃、美希は一目散に部屋の中へ戻り、その手紙を開封していた。 何とも言えない喜びが彼女を包んでいる。 そして、すぐにその文面に目を通した。 <明日、正確に言えば今日の未明…変質者が坂井美希の家のチャイムを鳴らし肉体関係を求めてくるでしょう> 今日はそう書かれていた。 …そ…そうなんだ… 美希はその文章を読み終えるとそう思った。 だが、不思議と不安感はない。 そればかりか、酷く体が疼くのを感じた。 …これで…私もロストバージン出来るのかな… しかも、そんな願望を描く美希。 誰が見ても健全な展開ではなかったが、今の彼女は男根を心から欲しているのだ。 もはや、その過程に愛やロマンは必要なかった。 …あぁ…そう考えただけで…またしたくなっちゃった… 手紙を読めた事に満足し、美希は頬を赤らめながらベッドに横になる。 そして、様々な男根写真を眺めながら、甘い手淫に耽りはじめた。 その時が来るのを心待ちにしながら。 時間はそろそろ日付が変わろうとしている頃だった。 美希は食事をとる事もなく、それまでの時間を睡眠とオナニーだけを繰り返し過ごしていた。 もう軽く二桁は気をやっただろう。 だが、一向に性欲が減退する事はなかった。 しかも、これから自らの手ではなく、男の武器が秘部を癒してくれるのだ。 そう考えただけで涎が出てくる思いだった。 …早く…来ないかな… 美希は午前0時を過ぎたのを見計らって、玄関の前へ移動する。 そして、そこに正座し、チャイムが鳴るのを待った。 …ピーンポーン すると、すぐにお待ちかねの音が鳴る。 …来た… 美希の興奮は最高潮に達していた。 …カチャ 彼女はそっと立ちあがり、ドアに凭れるように移動すると静かに鍵を開ける。 だが、相手からドアを開けてくる事はなかった。 ………………… それならばと、美希はゆっくりとドアを半開きにしてみる。 「…げへへへ…」 するとそこには中年の卑猥な目をした男が立っていた。 しかも、下半身は剥き出しで、その男根は生々しく勃起している。 「……………………」 美希は口の中に唾が溜まってくるのがわかった。 だが、余りの期待通りの展開に声が出ない。 「げへへ、お嬢ちゃん…おじさんといい事しないかい?」 すると、今度は男の方から口を開いた。 男根を突き付けるように扱きながら、美希との距離を詰める。 「…は、はい…」 彼女はその問いに頬を赤らめながら答えた。 「…うおっ、マジかい」 男は嫌がられると思っていたのか、素直に応じた美希の言葉に驚いたように声を上げる。 「…どうぞ、入って下さい」 そんな男を優しく家の中へと導く彼女。 「げへへ、まさか成功するとはな…今日はついてるぜぇ」 男は興奮しながら捲し立てると、玄関へと入ってきた。 「おっと、お嬢ちゃん」 「はい?」 だが、家の奥へ進んでいく美希を男は制する。 「最初はここでやろうぜ?」 男が指定したのは玄関だった。 「あ、はい。いいですよ」 美希は男に何の意図があるかわからなかったが、彼女にとっても別に場所などは何処でも良かったので、すぐに彼の元へと引き返す。 決して広くない玄関で中年の男と向かいあう美希。 男は下半身を丸出しで、彼女は下着姿であった。 「へへ、お前…随分小汚いパンティ穿いてるなぁ、げへへへ」 中年は美希の体を舐め回すように見ると、そう声を上げる。 「そうですか?」 だが、彼女は指摘されても気にならない。 これが当たり前の姿なのだから。 「そうですか?かよ。こいつは…とんでもねぇ当たりを引いちまったな」 男の興奮が更に高まっていく。 目は血走り、男根からは透明な液体が垂れ落ちていた。 「そ、それじゃあよぉ、最初はパイズリしてくれよ?な?」 そして、男は男根を握りながら美希にそう指示する。 「あ…はい、わかりました」 美希は素直に頷くと、男の前に跪いた。 つい1ヶ月前までは彼女の知識にはなかったものである。 だが、手紙によって指定された男性向け雑誌を買って熟読した結果、実践した事はないものの何の違和感もなくその行為をしようとしていた。 美希は薄汚れたブラジャーを外すと、そっと男根を包みはじめる。 乳房の大きさはちょっと自信があった。 しかも、ここ最近、定期的に運動と食事制限をしていたため、その膨らみはいっそう締まりを帯びるようになっている。 「…あぁ…熱い…」 美希は乳房で男根を挟むと、思わず声を上げた。 これが夢にまで見た肉の熱さなのだ。 そして、まるで魘されるように、彼女はその膨らみで男根を扱きはじめる。 …きゅぷ…ちゅぷ… 度重なるオナニーにより、彼女の乳房にはすっかり汗が堪っており、それが亀頭の先端から漏れる粘液と混じり合い汚らしい音を奏でていた。 美希はその音に股間が熱くなるのを感じながら、更に奉仕の熱を強めていく。 「…はぁ…ぁ…こいつすげぇ…」 男は満足そうに、その膨れた腹を突き出しながら美希の奉仕に酔っていた。 「……あぁ…すごい…」 彼女もサイズこそ大したことは無かったが、痛いほどに勃起している男根に目を凝らしながら、繰り返し乳房の肉で男根を扱いていく。 勢い余って、何度も鼻先に亀頭がぶつかったが、躊躇する事はなかった。 …ちゅぷ…きゅぱ… とても初めて男根を挟んでいる女の姿ではなかった。 まるでそれを生業にしているような熱の入りよう。 「…うぉお…もう出るぞぉ…!!」 男が程なく音を上げるのも無理もなかった。 …びゅく…びゅるる… まるで膿のように黄ばんだ精液が美希の顔へと降り注いでいく。 それは頬や前髪、そして口元を容赦なく汚し、湯気でも立ちそうな生暖かさだった。 「…ふぁぁ…すごい…」 「…熱くて…溶けちゃいそう…」 彼女はそれを避ける事もなく、その衝撃と感触を嬉々として受け入れている。 こういう奉仕が自分には向いているとも思った。 そして…少しだけ、ちひろの気持ちがわかったような気がした。 「ほら、休んでる暇はないぞぉ」 美希がそう考えている間に、男は彼女の髪を鷲づかみにすると、強引に顔を持ち上げる。 「……ふぁぁ…!?」 不意の展開に彼女は驚いたが、容赦なくその口に男根が入ってきた。 まだ十分に熱さと固さを維持している怒張。 しかも、先端からは何とも言えない味をした粘液が垂れているのだ。 感触は卵の白身そのものだった。 「うぃい…気持ちいいぜぇ…」 男は美希のリアクションなど気にすることなく、ただ口の奥まで男根を滑り込ませるとその口内の柔らかさを楽しんでいる。 もっとも、彼女もそれを吐き出す気はなく、唇ですっぽりと竿を挟んだ。 喉に先の割れた肉が押し付けられている感覚が伝わってくる。 そして、口いっぱいに広がる精液。 鼻には悪臭を放ちながら、男の陰毛が触れていた。 …じゅぷ…じゅぽ… そんな状況で、男は自ら腰を動かしはじめる。 美希も負けじと舌と唇で応戦した。 しっかりと口を窄め竿を扱き、前後する男根に舌を絡める。 知識として擦り込まれた行為が、実際体験してしっかりと生かされている。 そんな展開だった。 当然、美希の頭にはそんな考えはなく、ただ本能のままで男根に奉仕しているに過ぎない。 それにより、彼女はまた自らの天性を感じてしまうのだ。 …あぁ…すごい… …もっと…口の中で出し入れしてぇ… 美希は心地よい男根の感触にすっかり欲情しながらそう思った。 もちろん、今までの行為は彼女に快感を与えていない。 だが、それにも関わらず、秘部はショーツが透ける程に濡れ震えている。 まるでお漏らしでもしたかのように。 「…げへへへへぇ…また出すぜぇ!」 こうして、男は2度目の射精を口内で行った。 …びゅく…どぴゅぅ……びゅくぅ… 「…ふぁぁぶぅ…はぁうあぁ…」 美希も声にならない声で喜ぶと、それを受け入れる。 放たれた精液は全て飲み干した。 男根を咥えながら、汁にまみれた顔を緩ましながら。 こうして、初めて男のものと触れあう事の出来た美希は、そのまま次の儀式へと向かっていく。 かつて彼女は、少しだけ自らが処女を捧げる時の様相を想像した事がある。 それは、美希と将来を約束した者と、その男の部屋のベッドで電気を消して行う姿だった。 月明かりに見える彼の影像。 二人とも生まれたままの姿である。 だが、今彼女が迎えようとしているのは、そんな甘い幻想とは180度かけ離れているものと言ってもいいだろう。 「げへへへ、そろそろいいぜぇ」 男は下品そうな声でそう言うと美希の方を見た。 ここは彼女の家のトイレだった。 男は便座にふんぞり返るような姿勢で座っている。 便器の蓋がギシギシと軋んでいるのがわかった。 美希は、それを跨ぐように立っている。 乳房こそ剥き出しだが、ショーツはその薄汚れているものを穿いたままだった。 顔にこびり付いた精液はそのまま付着し、涎のように顎先から垂れ落ちている。 これから、美希自らが腰を沈め男根を秘部へと埋めるのだ。 それは彼女自身の手によって処女を喪失する事に他ならない。 もちろん、男は美希が処女である事を知る由はなかった。 あれほどの奉仕をしたのだ、男性経験はかなり豊富であると思っているだろう。 それゆえに、このような行為を命じていたのだが、逆にそれはまずお目にかかれない展開を見せつけようとしていた。 「はい、行きますね」 美希はようやく男根を味わえる事に胸を高鳴らせながら、足を大きく広げ体を落としていく。 そして、そのままショーツをずらすと、その未開拓の秘部を男の前に晒した。 「げへっ、ずいぶんと綺麗なマンコだなぁ」 そのしっとり濡れた花弁に、男は嬉しそうに声を上げる。 彼女は頬を赤らめたまま、そのサーモンピンクの肉襞に男根をあてがっていく。 …ちゅぷ まだ挿入されていないのに、淡い肉の音が響いてきた。 まるで秘部の肉が男根を待ちきれないかのように。 「……はぁぁ…あぁ…」 美希はその音に欲情しながら、ゆっくりと更に腰を沈めた。 肉は亀頭を完全に咥え込み、奥へ奥へと進もうとする。 だが、すぐに別の肉壁がそれを遮った。 もちろん、処女膜である。 「……あぁぁぁ…はっぁ…ぁあ…」 しかし、美希は下半身に広がる男根の感覚に、すっかり酔っており、その後に何が待っているかなど構うことなく強引に腰を沈めた。 …ちゅぷ…くぅ… 肉壁は、その勢いと重力によって一気に引き裂かれていく。 「…はぁぁ…あはぅ…」 美希の体に激しい痛みが流れた。 …あぁ…これがロストバージンなのね… それを彼女はうっとりとしながら感じている。 本来であれば、顔を顰めたくなるような苦痛なのだが、今の美希には不思議とそれを感じる事はなかった。 むしろ、痛みすら快感に変わる…そんな雰囲気である。 そして、同時に襲ってくる男根を咥え込んだという満足感。 彼女が毎晩、意識を失うほどに手淫に耽ってきた目的が今果たされたのだ。 秘部は痛々しいまでに男根を咥え込み、更なる愛液が洪水のように流れはじめる。 もちろん、破瓜の血を含みながら。 「…お前、処女だったのかよっ!!」 男は目を丸くして驚いた。 「うふぁぁ…はい…そうですぅ…」 美希は何の躊躇いもなく答える。 そればかりか、既に自ら腰を動かしていた。 あの時の、ちひろと同じように。 「こいつはとんでもない女だな…げへへ」 男もすぐに気を取り直すと、夢のような展開にのめり込んでいく。 つい1時間も前までは見ず知らずの男女が、こうして狭いトイレの中でお互いの肉を絡ませているのだ。 だが、美希にとっては手紙に記されたとおりの必然の展開だった。 そして、今日の今日まで、彼女は男に処女を奪われる事を心待ちにしていたのだ。 かつての明るく真面目な坂井美希の姿はここにはない。 今の彼女はその仮面を被った、ただの牝豚に他ならなかった。 「あぁ…ぁあぁぁ…気持ちいい…」 初めてであるにも関わらず、美希ははしたない声を上げながら男の上で踊っている。 先ほどまで端正な形をしていた秘部はすっかり歪められ、血と愛液が混ざり合い泡を立てていた。 そこに容赦なく突き刺さる男根。 太さも標準的とは言えない小振りであったが、彼女にとっては十分であった。 美希は男根であれさえすればいいのだ。 それだけで強烈な満足感と快感が体を駆けめぐっていく。 そして、その男の体臭が堪らなく気持ちよかった。 写真では知る事の出来なかった汗くさい匂い。 自分の下着が放つ強烈な悪臭は全く気にならなかったが、その男の匂いは目眩がするほど心地よかった。 「うへへへぇ、どうだ?俺のチンポは?」 男の方も、自らの肉棒が、彼女に激しい快感を与えている事を確認すべく、再度尋ねていく。 「はい…ちんぽぉ…とっても…気持ちいいですぅ…」 美希は男根の出し入れを繰り返しながらそう答えた。 彼女にとっては事実そうだったし、仮にそうでなくても否定はしなかっただろう。 もはや、美希もちひろと同じなのだ。 快感の根元である男を維持するために、彼の喜ぶべき答えを発する。 確かにあの時、彼女には悲しみと苦しみしか抱かなかったが、心の奥底ではその本質をしっかり学び取っていたのだ。 「げへへへ、何なら毎日お前のマンコ使ってやってもいいぜ!?何しろ、俺が初めての男だからなっ!!」 時間を弁えず、男は大声で捲し立てた。 「あぁぁ…はぁん…出来るなら…そうしてもらいたいですぅ…あぁ…」 美希は切ない顔つきでそう言うと、更に腰の動きを早めていく。 彼女がそう言ったのは、明日の手紙を待たなければならないからである。 こうなっても、手紙の束縛から逃れられないのだ。 「へへへ、それじゃあ記念にたっぷりと中に出してやるぜぇ。俺は性欲持て余してるからなぁ!!」 男は勝手に承諾を得たと勘違いし、自慢にならない事を叫びながら腰を振っていく。 「あぁん…はいぃ…いっぱい出して下さい…ぃ…」 美希も膣に射精される事に関しては喜んで受け入れていた。 …ぐちゅ…ちゅぷ…ぅ… 激しく絡み合う凹凸。 まるで愛し合った恋人のようなリズムを奏でていた。 そして、美希の方にも、今まで手淫でしか味わえなかった絶頂の波が、20歳は年上であろう中年の男根によってもたらされる。 「…はぁぁぁ…あぁ…私も…イっちゃうぅぅぅ…」 彼女も時と場所を弁えずに叫んでいた。 もう、周りなど全く見えていない。 「よし、俺も出すぞ!!」 男がそう言うや否や、美希の体の中に粘度の強い液体が飛び散りはじめた。 …びゅく…どく…どきゅ… 「あぁぁぁ…ぁぁぁぁぁぁぁああぁぁ…」 美希も快楽の頂に達した事を示すかのように、掠れた声をあげる。 指先は広がり、体はエビのように反っていた。 そして、その体勢のまま、時間が止まったように固まってしまう。 しかし、秘部だけは決して休むことなく、一滴残らず精液を搾り取るかのように男根に絡みついていた。 全てに満足しながら。 こうして、美希は夜が明けるまで男に奉仕して過ごした。 混じり合った姿を何十枚も撮影され、男への忠誠を数え切れないほど誓わされる。 体も至る所で男根を射精させ、その舌では男の隅から隅までを舐めさせられた。 今も男の朝食を用意した後、その下に座り込み、奴の足の指を舐めている。 「げへへ、飯もなかなかいけるじゃないか」 満足そうに箸を進ませる男。 「…ちゅぷ…ぱぁ…ありがとうございます」 男の足を抱えながら、それに嬉しそうに答える美希。 その顔は精液がすっかり渇き、白い汚れとなって点在していた。 「げふっ…、へへぇ美味かったぜ…おっと、そろそろ仕事に行かないとな」 そして、用意された食事を平らげると男は思い出したかのようにそう口を開く。 「また帰りによってやんよ、暫くはここで寝泊まりさせてもらうぜ?」 「あ、待って下さい」 すると、勝手に話を進める男を美希は制した。 「ん?何か文句あるか?」 「実はちょっと事情があるので…昼を過ぎないと何とも答えが出せないんです」 男は凄んで来たが、彼女は申し訳なさそうに答える。 その表情からは名残惜しさが溢れていた。 しかし、手紙が絶対なのである。 「そうか、まあいい…それならその事情とやらが済んだら俺に電話くれよ」 男はそう言うと、手元にあった紙に自らの電話番号を記した。 ずいぶんとあっさり引き下がったが、その頭では強引に迫れば拒みきれないだろうと考えている事は明らかだった。 「はい、わかりました」 だが、ひとまずは面倒な事が避けられ、美希は笑顔でその紙を受け取る。 こうして、彼女は男が去った後、昨日のように手紙を心待ちにしはじめるのだ。 昼は配達を待ち続け、夜は快楽に溺れる。 ある意味、救いようのない生活であったが、美希にとっては何の不満もなかった。 そして、昼過ぎに届けられた手紙にはこう記されている。 <明日から1週間、美希は今日未明に訪れた男に奉仕し続けます> と。 …よかった…しばらくは気持ちよくなれる… 美希はその内容に心底喜びの色を浮かべた。 そして、男の電話番号へ大急ぎでかけはじめる。 再び飽きる事のない痴態を繰り返すために。 もはや、彼女は心に続き、体までもが二度と抜け出せない蟻地獄に沈んでいるのだ。 助けてくれる人はもう誰もいなかった。 FIN …プルルルルル …カチャ 「…はい、え〜と、どういったご用件でしょうかぁ?」 「…あ、はぁい、それでしたら1日5万円でお望みの行為を体験出来るようになっていますぅ」 「…その計画は事前にこちらに提出して頂く形でお願いしますぅ」 「…そうすれば、後は全部、私たちが準備いたしますのでぇ」 「…はい、ご依頼ありがとうございますぅ」 ……チン |
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