それから一ヶ月ほどが経過していた。 寂れたライブハウスは午前中という事もあり、不気味なほどに静まりかえっている。 「………………………」 そこの事務所の奥にある仮眠用のベッドの上に梓は座っていた。 ボロボロのブラウス1枚だけという出で立ち。 ショーツすら身につけてはいない。 だが、今の梓にとってこれは当たり前の格好であった。 また、家には1週間ほど帰っていない。 今頃、みんな心配しているだろうが、とても帰る気にはなれなかった。 「………だよね…」 梓は机の上に置いてあった鏡の方へ目を向ける。 そこには変わり果てた自らの姿が映っていた。 腫れ上がった瞼、赤く痕の残っている頬。 そう、それはこれまでに男たちから受けた暴力の名残であった。 梓は男たちの性だけでなくストレスの捌け口にもなっていたのだ。 執拗に奉仕を迫られ、それに応えられなければ容赦なく鉄拳を食らわされる。 身体にも顔とは比べものにならないほどに痕が刻まれており、今もそれは疼痛となって彼女を苦しめていた。 だが、それでも逃げる事は出来ない。 そんな姿を先輩たちに見られたくなかったからである。 少なくとも、自分がここに留まっていれば、それは避けられるのだ。 「…痛い…」 梓は身体を丸めた。 それは古傷が痛んでいるのもあったが、それ以上に一晩中、男根を受け容れてきた秘部が染みるような感触をもたらしていたからである。 彼女に休みなどというものはなかった。 男が望めばその場で身体を差し出し、彼らが飽きるまで応え続ける。 また、肛門にも毎日のように肉棒がねじ込まれており、排便時には強烈な痛みを伴うようになっていた。 もはや、安息の日々には二度と戻る事は出来ない。 そう思えば思うほど、抵抗する意思が失われていくのである。 まさに救いようのない現実であった。 だが、梓は自ら幕を引く事も出来ず、漠然と流され続けているだけなのだ。 …カチャ そんな時、事務所のドアが開かれると、メンバーの男が入ってくる。 「…………………」 怯えたように彼の方を見る梓。 「へへ、起きてたか」 「ちょうどいいや、一発頼むぜ」 そう言うと、有無を言わせずズボンから男根を捻り出す男。 まさに性欲が処理できる肉便器としてしか彼女を見ていない証拠であった。 「……はい………」 それでも梓は断る事は出来ない。 拒めばまた暴力をふるわれるのが目に見えていたし、痛い事に慣れるほど達観はしていない。 彼女は男の前に跪くと、男根に両手を添えた。 「…ちゅぷ………」 そして、すぐに舌を伸ばすと肉棒全体へ愛撫を加えていく。 みるみるうちに唾液に染まっていく男根。 慣れきった舌遣いではなかったが、梓の動きからは必死さが滲み出ていた。 これまで、奉仕が拙いという理由でも幾度となく暴力を振るわれていたゆえ、否が応でもそうなってしまうのである。 「……くちゅ…ちゅぽ…」 まるで絡みつくように亀頭を舐る少女。 また、手では竿を扱き絶え間ない愛撫を続けた。 決して嬉しそうではない。 だが、その瞳は男根だけを捉えており、それが男に征服感をもたらしていた。 「へへ、いつものようにおねだりしてみろよ?」 男は調子に乗ると、梓にそう声をかける。 「…ちゅぱ……ふぁい……」 「……おチンポ………大好きです………」 「…梓の……おマンコも…お尻も…いっぱい…ハメて下さい…」 彼女は上目遣いで男にそう懇願した。 蹴られ殴られ、身体で覚えた言葉。 そのせいもあってか、その言葉には気持ちが籠もっていた。 しかし、もはや梓にはそれを自己評価する事は出来ない。 この場において自らの主張など足枷でしかない事を理解したからである。 「…ちゅぽ………ちゅる…」 そして、更に濃密に男根を咥え込むのだ。 口元から垂れ落ちる涎。 何も知らない人間が見れば、肉に飢えた女と思うかも知れない。 それほどまでに浅ましい動きであった。 「へへ、なら一発出すぜ?」 「…ふぁ、はい………」 男の言葉に応えると梓は舌を出したまま顔を上げる。 …びゅく…びゅるる… すると、彼は自ら男根を扱くと、そこめがけて精液を放つのだ。 まるで糸のように顔を縦断していく汁。 そして、何度も脈打つと、今度は舌や口内を汚していく。 「………ふぁぁ……ぁ…」 梓はそれをじっと受け止めていた。 男の方をただ見つめながら。 「よし、そこに手をつくんだ」 無論、男がそれで満足する訳はなかった。 彼らは例外なく性欲を持て余しており、一度の射精で引き下がるものは皆無である。 そればかりか、平気で三度、四度と身体を求められ、メンバー全員を満足させた時には最初の男が回復しているという数珠繋ぎの状態なっていたのだ。 ゆえに梓は常に男と交わって生活しているといっても過言ではない。 また、その疲労が彼女の思考をいっそう低下させていくのである。 「…はい…」 梓は言われたとおりベッドの手すりに手をついた。 自分でも驚くほどに従順な姿勢。 無論、暴力が怖いという事もあったが、自らの行動に疑問を抱く事がなくなってきているのも大きかった。 「へへ、今日は新しい体位を試してやるから、いっぱい善がるんだぜ?」 男は梓の片足を持ち上げるとそれを自らの胸で抱えた。 そして、太股に腹を密着させながら男根を滑り込ませるのだ。 …じゅぷ… いとも簡単に怒張を受け入れる秘部。 抵抗など微塵も感じられない。 梓はいつしか間断ない交わりにより濡れやすい身体になっていたのである。 しかも、最近では常に愛液を分泌するようになっており、秘丘全体がねっとりとふやけていた。 「…ああぁ…ぁん…」 男根を受け入れるとすぐに甘い声を漏らす少女。 半分は無意識に演じているものであったが、残りは本心であった。 無論、それは恐怖から逃れるための自衛本能なのであるが、その感覚が梓の脳を焦がしていくのである。 「(……気持ちいい、……………なんで…?)」 彼女はその意識に苛まれながら、ふとそんな事を思った。 だが、それ以上は深く考えられない。 頭がそれを拒否しているからである。 「どうだ?俺様のチンポは?」 「…………あ、はい……」 「……気持ち…いいです…とっても」 もはや本心であるかどうかなどどうでもよかった。 梓は今、自らに湧き上がる甘い感覚だけを捉えると素直にそう口にする。 そして、男に合わせるかのように腰を振るのだ。 …じゅぷ……じゅぽ…… 「あぁ……気持ちいい……」 「…もっと……もっとぉ…おチンポちょうだい…」 媚びを売っているかのようにしきりに淫猥な言葉を紡ぐ梓。 しかし、それによりいっそう身体は熱くなっていく。 これまで感じたことのない高揚感。 それが身体を火照らせると、秘部を肉棒に食い込ませていくのである。 「へへ、ようやくこの便器も使いやすくなってきたな」 「あぁ…おチンポに悦んでもらえて…便器嬉しいですぅ…」 「はぁ……あぁ……らめぇ……来るぅ…」 「あああぁぁ……」 すぐに押し寄せてくる絶頂。 梓はその感覚に意識を満たすと、いつまでも男根を味わい続けるのだ。 これまでの記憶すら押し流すかのように。 おわり |
|