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■mission■

 

 

 



             

第3話「侵蝕(1)」







  あの悪夢より2週間が過ぎようとしていた。


  あずさは表面上、今まで通りの生活を取り戻している。

  男たちからの連絡は一切無かった。



…………。

  この日も、あずさは妹の美奈と木枯らしの吹く遊歩道を店に向かい歩いていた。

「う〜ん?お姉ちゃん最近元気無いよ?」

「…そ、そう?気のせいじゃない?」

  美奈は今日もあずさに同じ台詞を投げかけたが、あずさからは同じ答えが返ってきた。

  二人の間に沈黙が流れる。


…………。

  あずさは不安で堪らなかった。

  確かに何も起きていないとはいえ、あの日、間違いなくあずさは男たちに犯され、
ビデオまで撮影されたのだ。

  連絡が無いに越した事はないにしろ、いつどこでその映像を目の当たりにするか
わからなかったし、それを目にした人間が目の前に現われる事も考えられた。

  仕事や遊びに集中した時は希薄になっても、やはり常にあずさの頭の中には
その時のショックと、そしていつ訪れるかわからない恐怖がしっかりと根を下ろしている。

  今も、その思いが頭の中を巡っていた。



  しかし、あずさはその思いを振り払うように小さく深呼吸をする。

  そして、精一杯の笑顔を作ると、美奈の方を向いた。 
 
「さぁ、ミーナ、店まで競争よ」

「えぇっ?、お姉ちゃん…急にどうしたの??…あ、ま、待ってぇ〜」

  あずさは不思議そうな顔をする美奈を尻目に、勢いよく駆け出しはじめた。




「はぁはぁ…おはようございます〜」

  あずさと美奈は息を切らせながら店に辿り着いた。

  そして、着替えを済ませた2人は厨房の奥のスペースに向かう。

  そこは、引継ぎの為のミーティングが行なわれる場所だった。

  店長が代わり大幅にシステム等が変更になると思われたが、このミーティングが定められたのと、
厨房担当のスタッフが入れ替えられただけで、特に大きな変化は起こっていなかった。

  既に何人かの同じ時間から勤務をはじめる女性達が集まっている。

「おはよぉ、あずさ、美奈」

「おはよう〜」

  声や仕草で会釈を交わすと、集まったメンバーは店長が来るのをそれぞれの面持ちで
待っていた。

  そして、事務所の扉が開くと、中から店長の相馬が姿を見せる。

  まだ30半ばで、どちらかと言うと地味な風貌を漂わせる男だったが、冷静で紳士的な態度は
店のスタッフの中で、早くも好印象な評価を受けていた。

「おはようございます」

  各自、口々に挨拶をする。

「おぉ、おはよう。みんな揃ってるみたいだね」

  そして相馬も挨拶を返すと、遅刻者が居ないのを確認し、手短に今日の状況やお勧めの
メニューの確認などを事務的にこなしていく。

「では、今日も事故のないように勤務に励んで下さい」

「はいっ!」

  こうして、面々は持ち場に散って行った。



  あずさはこの日、接客担当だった。

「いらっしゃいませ、ご注文は何になさいますか?」

  いつも通りの明るい笑顔を客に振りまくと、あずさは店内を精力的に回り、てきぱきと接客を
こなしている。

  今日は週末と言う事もあり、店内は常に大勢の客で賑わっていたが、特に大きなトラブルも
発生する事はなかった。


  そして、あっという間に4時間ほどが過ぎ去ろうとしている。  

「それじゃあ、10分入ります」

  あずさは休憩を取る為、周りに声をかけるとバックヤードを抜け更衣室の廊下に面した
自動販売機に向かった。

  店内の活気とは裏腹に廊下は不気味なほど静まり返っている。

  しかし、事務所の前を通りかかった時、中から出てきた相馬があずさに声をかけた。

「あずさ君、ちょっといいかな?」

「え?…はい」

  あずさは相馬に呼ばれるままに事務所の中に入る。

「まぁ、座りなさい」

「…はい…」

  あずさは相馬の意図がわからぬまま、ゆっくりと事務所の奥に歩を進めると、中央にあった
パイプ椅子に腰を降ろした。

  事務所の中は8畳ほどの大きさで、部屋の壁には書類や売上げのデータなどが貼りつけられて
いる。

  そして、3つある机には全てパソコンが置かれ、部屋の隅にはプリンタやスキャナなど周辺機器が
置かれていた。

  以前に比べ無機質と言うか、物々しくなったとあずさは思った。




「それで、なんでしょうか?」

  なかなか相馬が用件を切り出さないので、あずさは先に口を開いた。

「ああ、実はね、あずさ君に見て欲しいものがあるんだ」

  相馬はそう言うと、あずさの目の前にあったパソコンのマウスを動かす。

  そして、ビデオの形をしたアイコンにカーソルを合わせると手馴れた動きでマウスを叩いた。

  17インチのモニタいっぱいにそのファイルが展開をはじめる。

「…えっ…?…ひぃぃ…」

  ファイルが再生されたと同時に、あずさは怯えるように叫んだ。

  その顔からはみるみるうちに血の気が引いていく。

  そう、それはあの日の映像だったのだ。

  体中を男の精液でどろどろにしながら、尻を抱えられるあずさ。

  しかも、脇にあったスピーカーからは、あずさの息遣いや結合部の淫猥な音までもが
聞こえてきた。

「どうかな?…なかなかよく撮れてるだろ?」

  驚くあずさに相馬が不気味に声をかける。

「…ど…どうして…」

「どうしてって、そりゃあ、俺が撮ったんだからなぁ」

「…嘘っ…」

  相馬の言葉に、あずさはさらに愕然とした。

  まさか自分を犯した男が、働いている店の店長だったとは夢にも思わなかったからである。

「へへへ…どうやら、かなりショックを受けたみたいだなぁ」

  相馬は、あずさが今まで聞いた事のない下品な声を上げた。

「あの日の映像は全部ここに入ってるぜ、へへへへ」

  そして、パソコンのハードディスクの部分を指先で軽く小突きながら勝ち誇ったように笑う。
 
「…いやっ…も、もう止めてぇ…」

  あずさは頭を抱えると、涙を流しながら目を閉じた。

  しかし、相馬はあずさの耳元で嬉しそうに囁く。

「へへ、お前に逃げる術なんかないんだぜ。今日から色々と楽しませてもらうからそのつもりで
いろよ。何てったってお前は俺たちの奴隷だからなっ、へへへへへっ」

「そんなっ…」

「まぁ、逃げ出してもいいんだぞ。その時はこの画像をあちこちにばら撒いて稼がせて
もらうし、お前の代わりは妹にやってもらうだけだからな」

「うぅ…ミーナには関係ないでしょ!」

「それを決めるのは俺たちだからな」

「……うぅぅ…」

  あずさは余りの不条理さに言葉を失った。

「んじゃ、再会の証に一発抜いてもらうかな」

  相馬はそう言うとズボンのチャックを下ろし、萎えた男根をあずさの前に晒した。

「…ひぃっ…」

「ほれ、御主人様の愛しいチンポだ、さっさとお前の口でイかせるんだよっ!、御主人様の
命令には絶対服従だからな、もちろん嫌な顔を見せてもダメだ…その時はわかってるな…?」

「………」

「ほれ、返事はどうした?」

「……はいぃ…」

  あずさに選択の余地はなかった。

  逃げても反抗しても、待っているのは絶望だけだった。

  そして、相馬は追い討ちをかけるようにあずさに、さらに非情なノルマを課す。

「休憩時間はあと6分か、へへ、それまでに俺のザーメンを飲む事ができるかな?……もし、
時間内に飲めなかった場合は、仕事に戻った時大きい声で「店長のチンポをしゃぶってたら
遅くなりました」と言ってもらうからな」

「…ひぃぃ…い、嫌ぁ…」

「だったら早くイかせるんだな」

「…うぅぅ…」

  あずさは震えながら、相馬の男根に手をかける。

  そして、無我夢中で亀頭に唇を重ねた。

…ちゅぷ……

  あずさは男根の感触と匂いに心を重くしながらも、表情に出さないように堪えながら
さらに口の奥に咥え込んだ。

  男の剛毛が鼻に当たり気持ちが悪かったが、泣き言を言う暇もなく、あずさは必死に男根に
舌を絡ませる。

  次第に男根はその固さと熱を帯びはじめた。

「…う…うぐ…っ…」

  やがて、あずさの口の中は唾液と男の粘液でいっぱいになりはじめた。

  そして、その汁は口の端から顎を伝わり紫色の制服に流れ落ちる。

「へへ、だらしねぇ女だ…この調子じゃ制服がベトベトになるぜぇ…まぁ、もちろんそうなっても
そのまま働いてもらうけどな」

  相馬はにやけながら、あずさを茶化した。

「…ぐびゅ…ぅぅ…」

  あずさは何とか口から漏れる流れを止めるべく、その気色の悪い液体を喉の奥へ
流し込む。

  そして、再び男根に舌を這わせはじめた。

「ほら、咥えてるだけじゃなくて前後に唇で扱くんだ、そうでもしないと間に合わないぜ」

  しかし、相馬はあずさの奉仕に満足せず、時間を引き合いに出して更なる奉仕を
要求した。

「…ぐぅぅ…ぅ…」

  あずさは悔しくて堪らなかったが、何とか時間内に終わらせる為、言われた通りに竿を唇で舐る。

…じゅぷ…じゅぽ……くちゅ…

  いやらしい音が事務所の中に響いた。


「へへ、やれば出来るじゃねぇか、やっぱりお前は素質あるぜぇ」  

  相馬はあずさの頭に手を乗せ、そう呟いたが、あずさは反応する気にはなれなかった。

  ただただ地獄のようなノルマを恐れ、一心不乱に相馬の男根を奉仕している。


  そして、残り時間が1分を切った頃、ようやく相馬が限界を迎えた。

「…さぁ、出すから一滴残さず飲めよ」

「…ぅぐ…ふぅ…」

  そして相馬は体を後に反ると、まるで反動をつけるようにあずさの口内に精液を
撒き散らしはじめる。

…びゅく…じゅぷ…びゅく…

  勢いよく飛び出たそれは容赦なくあずさの喉を打つ。

…ごくっ…ごきゅ…

  喉に絡み咳込むのを押さえながら、あずさは必死に唾液と粘液を含んだ精液を嚥下した。

「へへ、美味しそうに飲んでやがるぜ」

  相馬は満面の笑みを浮かべ、その光景を見下している。

  そして、最後後一滴まであずさの口に注ぐと、糸引く男根を引き抜いた。  

「良かったぜ…それに、どうやら間に合ったようだな」

  相馬は時計を見ながら笑う。

  しかし、あずさはショックと慣れない行為に、肩で息をするのが精一杯だった。

「さて、さっさと仕事に戻れよ」

  だが、あずさには休む暇も与えられず、冷たく事務的な相馬の声が飛ぶ。

「…あぅう……はい…」

  そして、あずさは立ち上がると、制服についた染みと涙を拭いながら、よろけるように
ドアに向かい歩きはじめた。  

「そうだ、言うのを忘れてたが、仕事が終わったら事務所へ来いよ、他の主人も紹介
してやるからな」

  その時、ズボンのチャックを上げながら相馬はさらに非情な言葉が投げ掛ける。

「………わかりました…」

  あずさは生気なく返事をしたが、再びその瞳からは涙が溢れはじめた。



  そして、あずさは再び働きはじめる。

  永遠に仕事が終わらない事を祈りながら。
  


  

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