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■mission■

 

 

 



             
             

第4話「侵蝕(2)」






  店の窓から差し込む明かりが茜色から薄い黒に変わった頃、あずさの勤務は終わりを迎える。

  普段、何か用事があって終わってほしいと思う時ほど過ぎない時間だったが、今日に限っては
あっという間に過ぎ去っていた。

「あずさ〜、上がろ」

「…うん」

  あずさは同僚に声をかけられると、名残惜しそうに仕事場を後にする。

  夕飯時が近づき、学生や社会人で活気を増してきている店内を背に、彼女はバックヤードを
抜けると奥の廊下に出た。

  そこは、やはり不気味なほど静かで、非常灯の明かりだけがうっすらと緑色に光っている。

  ゆっくりと廊下を歩く二人。

  だが、あずさは行かなければならなかった。

「…あ、先行ってて、忘れ物しちゃったみたい…」

「うん、わかった。じゃあ、あずさお疲れ〜」

「…お疲れさま」

  あずさは作り笑いを浮かべ手を振ると、同僚を先に行かせる。

  そして、彼女が視界から消え去ったのを確認すると、ゆっくり事務所の前に向かった。

  暗い廊下にうっすらと灯りが漏れている。

  あずさは震える体を落ち着かせながら、唾を飲み込む。

  入りたくはなかった。

  しかし、ここに入らなくていい方法をあずさは見つける事は出来なかった。

「…失礼します…」

  深呼吸をして、軽くノックをすると、あずさはドアを開く。

  室内では相馬がパソコンのモニタを眺めていた。

  その背後には、二人の男が立っている。

  二人は相馬の店長就任後にこの店に来た者たちであった。  

  一人は島野と言い、サブマネージャーとして相馬のサポートをしている男で、もう一人は
厨房全体を管理している、長井と言う男だった。

  当然、あずさの知った顔である。

  しかも、三人が眺めていたのは、あずさのレイプ画像だった。

「……くっ…」

  あずさは恥ずかしさと、悔しさに言葉を詰まらせる。

  モニタでは苦痛に顔を歪めるあずさがアップで映し出されていた。

  容赦無く突き立てられる男根。

  そして、体中を染め上げる精液。

  あずさは思わず顔を背けた。

「へへ、恥ずかしがるなよ、これからだって山のように撮ってやるからよ」

  しかし、そんなあずさの反応に、嬉しそうに島野が声を上げる。

「それに、また、たっぷり楽しませてもらうぜ」

  長井も続けて声をかけた。

「……やっぱり……」

  あずさは悲しそうに呟く。

「その通りさ、お前を襲ったのは俺たち三人だぜ」

  相馬はすぐにあずさの意図を察し、冷徹に笑った。

  二人も不気味な笑みを浮かべている。

「………」

  あずさは、自らを襲った者たちが、こんなにも身近に存在していたと言う事実に改めて驚き、
ただ俯くしかなかった。

  だが、悲しんでいる時間すら与えられない。

「ほら、さっさとこっちへ来い!」

  長井が罵声を浴びせる。

  いやに静かな室内を緊張が走った。

「…うぅ…」

  あずさは少し震えながら、ゆっくりと三人の方へ進み出す。

  そして、三人の手に届くところで立ち止まった。

  6つの目があずさに痛いほど突き刺さる。

「へへ、ようやくご対面だなぁ…あずさ」

  相馬が嬉しそうに笑った。

  そして、ゆっくりと話しはじめる。

「じゃあ…お前のこれからの立場を説明するから、よく聞くんだぞ」

「まずはさっきも言ったが、俺たちの命令には絶対服従だ。例え仕事中でも、お前が寝ている
時でも、俺たちがやりたい時は奉仕してもらう」

「俺たちの呼称は、人前では"さん"づけで許してやるが、通常は"様"づけだと言うことも
忘れるなよ」

「……うぅ…そ…そんな…」

「それから、仕事中はノーパン、ノーブラ、家にいる時は裸で過ごしてもらうからな」

  相馬の口からは次々と残酷な台詞が飛び出す。

「あと、給料の方も全て俺たちに貢いでもらうぜ、支払わなくても良いんだが、監査が入ると
色々厄介だからな。それと、お前のスケジュールはプライベートに至るまで全て俺たちが管理
してやるから、そのつもりでいろよ」

「………」

  あずさは絶望的な自らの立場に言葉を失った。

「わかったか?あずさ?」

  だが、相馬はその非情な運命をあずさに認めさせるべく声をかける。

「……ひ…ひどい…」

  あずさは泣きそうになりながら、唇を噛んだ。  

「そうか、それじゃあ、あずさの処女喪失画像は世界中に流させてもらうが、それでも良い
んだな?」

  しかし、それさえ許さぬとばかりに相馬は続ける。

「それと、美奈に代わりはやってもらうぜ」

  島野も相馬と同じような横槍を入れる。

「…ぅ…ぅ…」

  あずさは、返す答えが一つしかないと言うことを悟った。

「…は…はい…わ、わかりました…」

  そして、さらに表情を曇らせると、ゆっくりと承諾する。

  さらに堕ちていくという感覚に襲われた。

  だが、三人のあずさに対する責めは止まる事を知らなかった。

「それじゃあ、ここで誓いを立ててみろよ。「日野森あずさはご主人様の忠実な奴隷になる事を
心から誓わせてもらいます」ってな」

「それで、俺たちのケツの穴に誓いのキスでもしてもらうか」

「へへっ、そりゃいいぜ」

  男たちは口々にそう言うと、一斉にズボンを下ろしはじめる。

  むせ返るような匂いがあずさを襲った。

「ほれ、はじめろ」

  そして、島野は急かすように呟くと、おぞましい尻をあずさに晒す。

  あずさは、自らの顔が歪むのがわかった。

  ただでさえ屈辱的な台詞を発しなければならないのに、その上、男たちの醜い肛門に唇を
這わせなければならないと言う現実をあずさは呪った。

  だが、逃げる事は出来ない。

「………」

  あずさは流れ落ちる涙を拭いながら、必死に声を絞り出した。

「…日野森…あずさは…ご…ご主人…さま…の…忠実な…奴隷になることを……ち…かい…ます」

  そして、ゆっくりと尻に向かい顔を近づける。

  形容しがたい匂いが鼻についた。

「…うぅぅ…」

  しかし、あずさは吐き気がするのを必死に抑えながら、毛だらけの男の肛門に唇を重ねる。

  ねっとりとした熱さが唇に伝わる。

  涙がポロポロとスカートや手に零れ落ちた。

「ほれ、早く俺のケツの穴にもキスしねぇか!」

  だが、躊躇している暇はなく、すぐに長井の罵声が飛ぶ。

「…は…はいぃ…」

  あずさは別の尻に顔を寄せた。

  そして、震える唇を熱を帯びた汚口に合わせる。

  まさに屈辱以外の何者でもなかった。

  それでも、あずさは涙を拭いながら、最後の尻に向き合う。

  残す一つの尻の主は相馬だった。

  あずさは気持ちを落ち着かせると、覚悟を決め、尻の肉の奥にある場所を目指す。

  しかし、その時、相馬は思いついたように声を上げた。

「そうだ、あずさ。俺のケツとはキスだけじゃなく舌も入れて見ろよ」

「…え…??」

  あずさは想像もしない命令に、動きが止まる。

  そして、程なく胃の内容物が押し上がってくる感覚に苛まれる。

  あずさは腹に力を入れ必死に堪えた。

「ご主人様の命令は絶対服従だったよな」

「ほれ、さっさと舐めろよ」

  だが、周囲もその行為を望まんとばかりに、あずさの肩を掴むと相馬の尻の前に体を固定する。

  相馬もあずさが舐めやすいように、尻の肉を両手で広げた。

「…ひぃ…」

  目の前に毛に覆われた、赤黒い穴が晒される。

  同時に更に激しい臭気が漂ってくる。

  あずさはガタガタと震えながら目を白黒させた。

  しかし、あずさがこの状況を乗り切るには、男たちの命令に従うしかない。

「……っ…」

  あずさは、覚悟を決めるとその臭気の源へ唇を寄せた。

  そして、その端正な口から恐る恐る舌を差し出すと、その赤黒い皺に先端を乗せた。

  痺れにも似た苦味が伝わってくる。

  だが、この程度では男たちは満足するはずもなかった。

  あずさが皺の一つ一つ全てに舌を這わせるのを待っている。

…ぺろっ…ちゅぷ…

  唾液を舌の先端に集め、膜を作る感覚で、あずさは全体を舐めはじめた。

  既に頭の中は、屈辱と言うよりも、早く終わらせる事だけを考えている。

パシャ!

  だが、その瞬間、あずさの瞳を眩しい光が襲った。

「……え…っ…」

  あずさは肛門から舌を離すと、その光の方向を見る。

「…ひぃぃ…そ…そんな…」

  その先では、島野がカメラを持ち、その光景を撮影していたのだ。

  あずさは更に胸が締めつけられる思いだった。

「へへっ、バッチリ撮れたぜ」

「良くやったな。これであずさのコレクションがまた増えたってもんだ」

「そのうち、写真集でも出してやるか?」

  しかし、そんなあずさをよそに、男たちは心底嬉しそうな顔を浮かべ、彼女を貶める。

  あずさは再び溢れ出した大粒の涙に構うことなく、その場に崩れ落ちるしかなかった。

  だが、容赦など存在しない。

「よし、それじゃあ次は、マンコ見せてみろよ」

  すぐに淫猥な命令があずさに下る。

「………」

  あずさは涙で真っ赤になった目で男たちを見上げた。

  しかし、だからと言って彼女に拒否する選択肢はない。

「聞こえなかったのか?マンコ見せてみろって言ってんだよ、あれからどうなったか
きちんと観察してやるからよ」

  島野は制服姿のあずさを舐め下ろすように見ながら、行動を促した。

  他の二人も無言であずさの行動を待っている。

「………」

  あずさは痛いほどその視線を感じたが、恐怖に神経が停滞し、ただまごまごするだけだった。

「さっさとやれっ!」

  程なく長井の大声が飛ぶ。

  今にも殴られそうな雰囲気だった。

「…ひぃ…は、はい…」

  あずさは消え入りそうな声で呟くと、スカートをたくし上げ、震えた手つきでパンティに手を
かける。

  そして、股間を覆う布を擦り下げて行く。

  緊張と冷や汗で、なかなか上手く下ろす事は出来なかったが、再び襲うかも知れない罵声を
恐れ、あずさは必死だった。

「へっ、最初からそうしろってんだよ」

「このあたりも追って調教して行かないといけねぇな…」

  男たちに浴びせられる言葉に反応する余裕も無く、あずさは膝までパンティを下ろす。

  あずさの恥毛が男たちに晒される。

「…こ…これで……い…いですか…」

  そして、あずさは涙声で許しを請うように三人を見た。

「それじゃあマンコは見えねぇぜ、そこの机に座って足広げろよ」

  しかし、男たちは納得せず、さらに卑猥なポーズを要求する。

「…は…はいぃ…」

  あずさは泣きながら、固い机の上に乗り股を開いた。

  そして、剥き出しの秘部に掛かるスカートを震える手で持ち上げる。

  程なく、男たちの目にあずさの秘部が飛び込む。

  2週間前の惨劇が嘘のように、あずさの花弁は小さく綺麗なものだった。

「へへ、ご開帳だぜ」

「あれだけ犯してやったのに、まだ処女みてぇだな」

「尻の穴も相変わらず毛深いぜ」

  男たちは口々にその秘部を批評していたが、その声を聞くたびにあずさの鼓動は
早くなっていく。

  自らの体温が上がって行くのもわかった。

  あずさは耳まで真っ赤にしながら、ただ早く終わることだけを祈っている。

「…ん?濡れてるな」

  しかし、あずさの秘部を眺めていた島野が意外な台詞を口にした。

「……えっ…?」

  あずさは思わず声を上げる。

「マジだぜ、こいつ見られただけで濡れてんのかよ?」

「はは、実は露出癖でもあるんじゃないのか?」

「…や…やめて…」

  あずさは掴んでいたスカートを離すと、男たちの声に耳を塞いだ。

  しかし、男たちは自らあずさのスカートを捲り上げ、再び秘部の観察を続ける。

「やっぱり、濡れてるぜ」

「こいつはさっさとやってくれって事か?」

  相馬は笑うと、あずさの秘部を指でなぞる。

「…ひぁ…」

  あずさの体を電流のように衝撃が走った。

「へへ、やっぱり準備万端って感じだな」

「それじゃあ、俺は今日上がりだし、さっさとあずさの部屋行って可愛がってやるか」

  あずさの恥毛を弄っていた長井が目を細め笑った。

「ああ、俺たちが行くまで、思う存分使ってやれよ」

「でも、やり過ぎて壊すなよ」

  二人は、まるであずさを物であるかのように形容していた。

  しかし、それをどうこう言う気力は、今のあずさにはなかった。

「さて、これは、もうお前には必要ねぇからな」

  そして、長井はそう言うと、あずさの膝下まで落ちていたパンティを完全に脱がし、自らの
ポケットに捻じ込んだ。

「さぁ、とっとと帰るぞ、あずさ」

「……はい…」

  あずさは弱々しく机から下りると、おぼつかない足下で長井の後に続く。

「それじゃあ、先行ってるぜ」

  長井は事務所に残った二人に一瞥をくれると、あずさと共に部屋を後にした。

  そして、先程よりも暗くなっていた廊下を出入口に向かい歩きはじめる。

  だが、更衣室を素通りした時、あずさは恐る恐る声をかけた。

「…あの…着替えが…」

  蚊の鳴くような声だったが、不気味なほど静かな廊下にははっきりと響き渡る。

  だが、そんな問いを長井は一蹴した。

「へっ、その格好のまま帰るのがいいんじゃねぇかよ」

「…うぅ…」

  あずさはその答えに落胆するしかなかった。

  店内では違和感を感じない制服も、やはり普段着としてはかなり辛いものがある。

  しかも、あずさはノーパンなのだ。

  短いスカートが風で捲りあがったら、それだけで気が狂いそうな気がした。

  だが、そんなあずさの気持ちなど露知らず、長井は楽しそうに笑っている。

  そして、出入口まで辿り着くと、更なる恥辱があずさを待ち構えていた。

「さて…外に出るなら、主従らしく寄り添って歩くか」

  長井はそう言うと、あずさの腕を自らの腕に絡ませる。

「…あっ……」

  そして、めり込ませる勢いで体を密着させた。

  長井の体温があずさの体に染み込む。

「………」

  あずさは気持ち悪さを押さえながら、黙っていた。

「それと、手も繋がないとな…。でも、あずさはこっちの方がいいだろう?」

  だが、長井はあずさの手を掴むと、何と自らのズボンの中に導きはじめたのだ。

  そして、その先には既に固さを帯びていた男根があった。

「…ひぃ…う…嘘…」

  あずさは予想外の出来事に困惑しながら長井を見た。

  しかし、その瞬間にも彼女の手には脈打つ物体が握らされている。  

「へへ、そのうちこれが当たり前になるから安心しろよ」

  長井はあずさにとっておぞましい未来図を語ると、自らのズボンの上からあずさの手を擦った。

「…や…やめてぇ…」

  たまらず、あずさは泣き声を上げる。

  もう、耐えられそうになかった。

  だが、長井はそんなあずさを睨みつける。

「へぇ、オメェは自分で宣言した事を破るってのか?さっきの言葉は嘘か?おぃ?」

「…うぅ…」

  ドスの聞いた声で絡まれ、あずさは脅えるだけだった。

  すると、長井は突然振り返り、あずさの腕を引っ張ると廊下を戻って行く。

  優しさなど微塵もなかった。

「んじゃぁ、しゃあねぇな!テメェと今から店内で白黒ショーでもするか!?」

  そして、完全に切れた様子で、長井は更に足早にバックヤードの方へ進む。

「…や…やめてぇ!!…お願い…もう…逆らいませんから…そ…それだけ…はぁ…!!」

  余りの唐突な出来事に、あずさは必死に声を荒げた。

  店内に届きそうなほど大きい声だったが、誰かに聞こえるなどと言う心配をしている余裕はない。

「…ホントだな?」

  ようやく、長井の足が止まった。

  そして、相変わらず険しい表情であずさを睨む。

「…はい…ホントです…」

  あずさは観念するしかなかった。

  そして、改めて自らに圧し掛かる男たちの狂気と本気を見た気がした。

  自らは生贄になる子羊でしかない。

  そんな事を思いながら、あずさは自らの意思で、再び長井の男根を握る。

「…へっ、最初からそうしてればいいんだよ」

  長井は落ち着きを取り戻すと、再び玄関に向かい踵を返した。

  まるで奈落に向かうように。




  

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