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■mission■

 

 

 



             

第7話「侵蝕(5)」






 翌朝。

 まだ、朝のラッシュの時間には程遠く、駅へ向かう人も疎らな時間。

 Pia☆キャロット2号店の店先では、一人の少女が店のユニフォームを纏いながら、道を彩る
落ち葉を掃いていた。

 もちろん、それはあずさである。

 彼女は、相馬に夜も空けぬ頃に電話で呼び出さたのだ。

 そして、昨晩与えれたバイブレータを装着させられ、朝の掃除を命じられていた。

 しかし、それは掃除と言うには、あまりに異様な光景だった。

 あずさは、普段着ているユニフォームより、一回り小さいサイズのものを着用させられていた。

 その為、ユニフォームは体にしっかりと食い込み、そのアンバランスさが惨めな雰囲気を
漂わせている。

 しかも、それでノーパン、ノーブラなのだ。

 丈の短いスカートからは、今にも白い尻が零れそうで、胸の部分も、乳首がうっすらと
突起している。

 そんな格好で、あずさは秋風の吹く店の前の歩道に立っていた。

「…うぅ…」

 あずさは断続的に下半身を刺激する二つの異物に身を捩じらせている。

 秘部には相馬、肛門には長井の男根を模ったバイブレーターがゆっくりと微動を繰り返していた。

 既に、秘部からはねっとりとした愛液が漏れ、太腿を濡らしている。 

 あずさはそんな気色の悪い感覚の中、ひたすら地面を掃きつづけた。

 だが、次第に彼女の体勢はぎこちないものになっていく。

 間断ない刺激は、体だけでなく心まで蝕みはじめたのだ。

…くぅ…ぅ…

 あずさは箒に凭れるように、その場に立ち止まった。

 既に、絶頂は目の前まで来ている。

 だが、素直にそれを受け入れる気にはなれるはずもなかった。

 その時、あずさの前を駅に向かうサラリーマン風の男性が通り過ぎる。

「あぁ…お、おはようございますぅ…」

 すると、あずさは恥ずかしさを押し殺しながら、元気に挨拶をはじめた。

 外で会った男には必ず挨拶をする。それが、あずさに課せられたもう一つの任務である。

 しかし、その声は裏返り、見事にイントネーションがずれていた。

「………!?」

 男性はあっけに取られた顔であずさを見る。

 目が合った。

 あずさは、恥ずかしさに怯えながらも、必死に笑みを作る。

 惨めな格好を、余計に誇示する妖しい笑顔だった。

 だが、男性は息を呑むと、逃げ出すように足早に駅へ歩きはじめた。

…よ、よかったぁ…

 あずさは、その背中を見ながら、安堵の溜息をつく。

 しかし、

「…はぁ…はぁ…ぁぁ…」

ビクッ…

 その時、あずさは不意に絶頂に達してしまった。

 体の中を、電流のような快感が突き抜ける。

 しかも、その瞬間も秘部を抉るバイブレーターは休むことは無い。

 そして、あずさは次にしなければいけない行動に移る。

「…うぅう…ぅ…」

 彼女は、箒を杖代わりにしながら、よろけるように店の裏手へ歩を進めた。

 バイブレーターを交換するためである。

 あずさは、自らを絶頂に導いた秘部を貫くバイブレーターをゆっくりと引き抜く。

 それは、肉を掻き分けるようにあずさの眼前に姿を現した。

 自らの愛液に染まり、なおも振動を繰り替えす異物。

 あずさは、それだけで気が狂いそうだった。

 しかも、責めは終わらないのだ。

 彼女は、次に肛門に挿入されているバイブレーターを引き抜く。

 長井のおぞましい男根を想像させる張型が、腸液に濡れていた。

「………」

 あずさはそれを自らの秘部に押し当てる。

 既に、すっかりふやけていた秘口は、その丈の長いバイブレーターをいとも簡単に飲み込んで
いった。

 再び、あずさの体に衝撃が走る。

 だが、そこで停滞する訳にも行かず、あずさは脇に装着されているバイブレーターを
取り出す。

 それは島野のものだった。

 長さこそ長井のものと比較にはならなかったが、亀頭部の面積が広い、寸胴な印象を受ける
男根だった。

 あずさは、それを自らの肛門に嵌め込む。

 肛門を抉る痛みは無かったが、やはり、気色の悪い感覚が彼女を襲う。

 それを自らの手でしているということが、更に自らを混乱させた。

…ぅぅ…

 あずさは逃げ道を見つける事すら出来ず、再び掃除に戻った。

 まだラッシュの時間にはなっていなかったが、早く掃除を終わらせないと、大勢の通勤客に
自らの惨めな姿を晒しながら、存在をアピールしなければいけなくなるからだ。

 あずさは怯えるように掃除を再開する。

 だが、目の前の歩道は、断続的に駅へ向かう人の流れが出来つつある。

 しかも、それは殆どが男性なのだ。

 あずさは、箒を握り締めながら、目の前の状況に背筋を凍らせる。

 しかし、後戻りは出来なかった。

「おはようございます〜」

 あずさは、必死に自らを奮い立たせると、箒で地面を掃きながら、通りすがる男たちに愛想を
振りまく。

 一瞬にして、彼女は男たちの視線に包まれる。

 朝早くから、まるで風俗嬢がコスプレでもしているような格好で笑顔を振りまく少女。

 しかも、体全体から妖しい雰囲気を醸し出している。

 男たちは、足こそは止めなかったが、あずさを確実に視姦していった。

 数多くの男たちの中で、嬲られ汚されるあずさ。

 そして、誰一人として、彼女が嫌がるとは思ってはいない。

 路上に押し倒され、スカート捲り上げられ、秘部を晒される。

 だが、抵抗しつつもそれを甘受する少女。

 最後は、自らの男根で善がり狂う。

 男たちの表情がそれを物語っていた。

「ぁあ、おはようぅごさいますぅ…」

 あずさは、自らの挨拶が間の抜けたものだということに気がつく余裕すらなく、その
現実を受け止めていた。

 そして、自らが男たちの中で犯されているという感覚が、更に体を敏感にさせる。

 愛液は止め処なく溢れ、既にロングタイツまで垂れ落ちていた。

…ぅう…こんなことって…

 あずさは、自らの反応に戸惑いながらも、為すすべなく挨拶を繰り返す。

 次第に人の流れは、行列と呼べるものに変わっている。

 もはや、挨拶などしなくても、あずさは駅へ向かう人々の視線を集めていた。

…なんだ?あの女?新手のパフォーマンスか?

…いやだぁ、バッカじゃないの?頭悪そう〜。

…へへ、あれならタダでやらせてくれそうだなぁ…へへ

 男女問わず、道行く人々はあずさを嘲笑の眼差しで見ていく。

 だが、皮肉にも快感はさらに増していった。

…ビュク…

「…ぅう…ぁ…」

 そして、再びあずさを襲う絶頂。

 あずさは崩れそうになりながらも、何とかその場から離れる。 

 幸いにも彼女の達した瞬間は、誰にも気がつかれないようだった。

 あずさは、何度も振り返りながら店の裏手に辿り着くと、その場にうずくまる。

 絶頂を迎えたばかりだというのに、体を物足りなさが包んでいた。

「…はぁ…はぁ…どうしてぇ…」

 あずさは自分に問い掛けるように息を漏らす。

 だが、その手は無意識に股間に伸びていた。

 自らの愛液で染まったバイブレーターをそっと握る。

「…ひぃあ…」

 信じられない快感が自らを襲う。

 昨晩、相馬たちに嬲られた時と、比較にならない衝撃だった。


 あずさは、更にバイブレーターをしっかり握ると、自ら動かし始める。

 長井の形をした異物が、子宮に当たった。

「ぁぁぁあ…き…気持ち…ぃい…のぉ…」

 あずさは涎を垂らしながら、その感覚を体全体で味わう。

 既に正常な意識など失われかけていた。

 ひたすら自らの秘部を、バイブレーターで抉りつづける。

…じゅぷ…じゅる…

 肉の音が響く。

 その音すら、快感となってあずさに降り注ぐ。

「はぁあ…ぁぁぁ…」

…びゅる…るる…

 あずさは再び絶頂を迎えた。

 不意に迎えた感覚と違い、全てを押し流すような快感が体を突き抜ける。

 しかも、それに呼応するように、あずさの尿道からはだらしなく小便が漏れ始めた。

 それは自らの手に降り注ぎ、リストバンドを汚らしく染めていったが、今のあずさに気にする
余裕など無い。

 ただ、自らが導いた快感に耽っているだけだった。



 しかし、その時、あずさは自らが重大なミスを犯したことに気がついていなかった。

 そう、絶頂に達した場合、バイブレーターをローテーションさせるということを忘れていたのだ。

 そして、未だ、頭の中が真っ白だったあずさに冷たい声が振りかかる。

「おやおや、ルールを破ってイっちまうとはいい身分だな」

「…あ…、え…?」

 あずさは顔を上げると、そこには三人の姿があった。

 あずさは我に返った。

 そして、自らの無残な様相に気を重くする。

 手や太腿は小便にまみれ、秘部の奥深くまで埋まっているバイブレーターからも、愛液と
小便の雫が垂れていた。

 それを彼らに見られているのだ。

「…いやぁっ…」

 あずさは、とっさに股間を隠すと身を丸めた。

「おいおい、お前の全ては俺たちのもんなんだからよ、隠すことはねぇだろ?」

 長井が不機嫌そうな表情を浮かべながら口を開く。

 あずさはそれだけで、恐怖に背筋が寒くなった。 

「あずさ?お前、大事な事を忘れてないか?」

「え…?」

 だが、今度は落ち着いた声で島野が近寄ってくる。

 表面的には、なんら普通の表情だったが、不気味な雰囲気を醸し出していた。

「え?じゃないだろう?お前は今、イったんだぞ?」

「…あ…」

 あずさはようやく自らの失敗を思い出す。

 だが、何も言うことはできなかった。

「けっ、黙ってれば済むと思ってんのか!?」

「…ひぃ…」

 長井が詰め寄る。

 しかし、島野はそれを制すと、更にあずさに近寄った。

「まぁ、イってしまったものは仕方ないな。その代わり、埋め合わせをしてもらうぞ」

「…え…?」

「俺のチンポをバイブ代わりに使わせてやる。ありがたく思うんだな」

「…うぅ…」 

 島野はズボンのチャックを下ろし、中から萎えた男根を引きずり出す。

「さぁ、俺は動かないから、後は全部お前がやるんだ」

 そして、非情な注文をあずさにつける。

「………」

 あずさは、困惑したが言う通りにするしか道はなかった。
 
 彼女は、小便の池の上から立ち上がると、そっと秘部を貫いていたバイブレーターを抜く。

 そして、それを地面に置くと、ゆっくりと島野の足元まで進み出る。

 目の前に生臭い匂いを発している男根が見えた。

 あずさは、そっとそれに手を伸ばすと、軽く握り扱きはじめる。

 すぐに男根は、熱気と固さを帯びはじめた。

 そして、あずさは亀頭の先に舌を這わせる。

 慣れている訳ではないが、既に違和感のない動きだった。

…ちゅぷ…ちゃく…

 相変わらず味の方は抵抗があったが、彼女はそれを飲み込むように奉仕を続ける。

「へへ、そろそろマンコの方で味わえよ」

「…ふぁ…ぅ」

 あずさは島野の声に軽く反応すると、咥えていた男根を離した。

「それじゃあ、やりやすいようにしてやるか」

 すると、島野は、その場に腰を下ろす。

 勃起した男根が天を突いている。

「…ぅ…ぅ…」

 あずさは、しゃがんだまま移動し、男根を跨ぐと、島野に抱きつくような格好でそれに標準を
合わせた。

 そして、ゆっくりと腰を降ろす。

 濡れて冷たくなってる秘部の表面に、熱気を帯びた亀頭が触れる。

「…あぁぁ…」

 あずさは、その感触に短い声を漏らした。

 そして、そのまま勢いに任せ、腰を沈める。

 すっかりふやけていたあずさの秘部に、何の抵抗も無く島野の男根が埋まっていく。

 それと同時に激しい感覚があずさを襲う。

「…ひぃあぁ…あっぁ…」

 あずさは倒れかかるように島野に抱きつく。

 その肩を抱く力はかなりのものだった。

「へへ、俺のチンポがいいみたいだな…。ほら、自分で腰を動かせよ」

「ひぁ…は…はいぃ…」

 あずさは、言われるがまま、腰を動かした。

 中の男根が妖しく蠢く。

 バイブレーターなど比較にならない快感だった。
 
 だが、あずさは必死にその感覚を打ち消しながら、機械的に腰を動かす。

 止めたいと思う心と、止まらない体。

 まさに二律背反があずさを苛む。

…じゅぷぅ…じゅるる…

 肉の擦れる音は、異様なほど生々しくあたりに響いた。

「うぅ…ぅう…」

 あずさは、ただひたすら悶えつづける。

 体も如実に反応し、乳首は痛々しいほどぴっちりとした制服を押し上げるように突起していた。

 愛液も泡立ちながら島野の男根を伝う。

「へへ、いいぞあずさ。ようやく牝らしくなってきたな」

 島野は満面の笑みを浮かべながら、あずさの反応を楽しんでいた。

 そして、自らも腰を突き上げると、あずさの奥深くに射精をはじめる。

…びゅく…どぴゅう…

「あ!ぁぁぁっ…ぁぁぁぁ…」

 あずさはその衝撃に身を捩じらせながら、同時に絶頂を迎えた。

 自ら迎えた快感の果てよりも、更に深いものだった。

 膣から溢れんばかりの精液を注がれながら、あずさは悶える。

 その先への不安すら忘れ去るように。



 そして、店が開店すると、あずさの恥辱にまみれた勤務が始まる。

 今度は、この格好で店内を回らなければいけないからだった。

 ミーティングの際に、既に、同僚からは奇異の目で見られている。

 店内での接客ともなれば、その反応は想像もつかなかった。

 開店と同時に、数名の客が店内に入ってくる。

 老人や子供連れの若い主婦などであった。

 あずさは、トレイにお冷を乗せると、客が座った席へ歩き始める。

 だが、相変わらず秘部と肛門に埋まる衝撃が、足取りをぎこちなくさせた。

 トレイのコップが斜めに傾いていく。

…あ…いけない…

 あずさは、神経をトレイに集中させる。

 だが、今度は秘部を貫くバイブレーターの衝撃が、彼女の体を走った。

…がしゃん…

 そして、手の上から床にぶちまけられるコップとトレイ。

 あっという間に目の前が真っ白になった。

 再び、気をやってしまったのだ。

 あずさは、倒れこむようにその場にしゃがみこむと、目の前の惨状に我に返る。

「…そ、そんなぁ…」

 そして、情けなく俯いた。

「あずさ、何やってんだよ」

 同僚が、呆れた顔でバケツとモップを担いできた。

 客へは別の同僚がお冷を運んでいる。

 だが、あずさは動けなかった。

 今にも再び絶頂を迎えてしまいそうだったからである。

 店内の見えない緊張感が、あずさに不思議な感覚を植え付けていたのだ。

「…ごめん…」

 あずさは、ただ一言そう言うと、その体勢のまま、同僚が持ってきたバケツにコップの破片を
入れはじめる。

 あずさは情けなかった。

 だが、更に悔しかったのは、彼女がすぐにすべき事は、汚名返上ではなく、肛門を貫く
バイブレーターに秘部を貫いてもらうことだったからである。

 あずさは掃除が一段落つくと、人目を偲んでトイレに向かった。

 そして、そこでスカートを捲り上げると、バイブレーターの位置を入れ替える。

 慣れて来たと思った矢先の感覚の変化に、再びあずさは苛まれた。

 その後も、絶頂と落胆は延々と続いていく。

「ご注文は…コーヒーとミックスサンっん…ド……、し…失礼しました…ミックスサンドウィッチ
で宜しい…ですね…?」

 注文を聞いている最中にも、衝撃は襲い続けた。

 その度に、あずさはトイレに向かい続ける。

 だが、そうでもしなければ、あっという間にあずさの太腿は愛液に濡れ、店内を歩くことなど
叶わないのが現状だった。

 しかも、次第に乳首は固く硬直し、常に制服を押し上げる状態になっている。

「へへ、姉ちゃんノーブラかい?」

 注文を取るために向かったテーブルの男が大声で笑った。

 店内の客の目が、一斉にあずさに向く。

「お、お客…さま…、ご、ご冗談はやめて…下さいぃ…」

 あずさは、今にも達してしまいそうな状態で必死に弁解したが、皮肉にも、その勢いで
気をやってしまい、声が裏返った。

 店内にあずさの弁明を信じるものなど誰も居ない雰囲気が漂う。

…うぅ…

 あずさは心で泣きながら、それでも笑顔を作りつづける。

 まさに惨めに他ならなかった。 
 


 午後になり、昼時のピークが過ぎると、あずさにようやく休憩が与えられる。

 だが、休憩とは名ばかりで、彼女を待ち受けていたのは事務所での男根奉仕だった。

 各々の机に向かい昼食を取る三人の為に、あずさは、まるで、物乞いでもするように
床に這いつくばると、男根に舌を這わせた。

 もちろん、その最中も秘部と肛門にはバイブレーターが蠢いている。

「ぐちゅう…うぅ……ひぐぅ…」

「へへ、どうやらイったみたいだな」

「ほら、さっさとローテーションさせろよ」

「もちろん、俺たちにしっかり見えるようにだぞ」

 再び気をやったあずさに、情け容赦ない声がかかった。

 あずさは、逆らうことなど出来ず、腰を砕けさせながら立ち上がると、その場でスカートを
捲り上げる。

 まさに洪水という表現が相応しい股間だった。

 黒々とした恥毛は、塗れ光り、その存在を増している。

 そして、その先に、薄ピンク色の秘部が極太のバイブレーターを咥えていた。

 あずさは、震える手で、秘部からバイブレーターを引き抜く。

 愛液が白い糸を引いた。

 そして、すぐに肛門へも手を伸ばす。

 その一部始終を、三人の視線が貫く。

 あずさは、再び朝の感覚に陥った。

…ぁあ…またぁ…

 あずさは心の中で呟きながら、肛門を貫いていたバイブレーターを秘部に埋める。

 そして、まだ乾く間もなく、順番を待っていたバイブレーターを肛門に差し込んだ。

 卑猥な感覚は、茨のロープのようにあずさの心と体を蝕んでいく。

 この場で、自慰に耽ってしまいたかった。

 だが、あずさは必死に堪えると、再び男根奉仕に戻る。

 自らに快感を産むものと同じ形をした男根。

 それにあずさは舌を這わせている。

 結局、彼女の中から、快楽を貪りたい欲望が消えることは無かった。

 そして、三人の精液を飲み干すと、あずさの午後の仕事が始まる。




 あずさが店を出たのは、あたりが真っ暗になった後だった。

 午後も実に数え切れないほど絶頂を迎え、スカートやロングタイツを汚した。

 客の眼差しも痛かったが、あずさがショックだったのは同僚の目だった。

 今まで、仲良く助け合い、そして励まし合ってきた同僚が、今日1日だけで手の平を
返したように冷たかったからである。

 そして、まるであずさに聞こえるように陰口を叩いていた。

「見たぁ?あずさのあのカッコ?」

「男に飢えてるんじゃないかしら?」

「ありゃひでえよな、ブラもしてなかったしな」

「噂じゃ、ショーツも穿いてないみたいよぉ?」

「うっそぉ?」

「とことん変態ね。そんな娘じゃないと思ってたのに…」

「幻滅〜。尊敬して損しちゃった」


 美奈が休みだったのがせめてもの救いだったが、あずさにとっては何よりもショックだった。

 そして、そんなショックに苛まれながら、今にも倒れそうな足取りで寮に辿り着く。

 恥辱と疲労、そして、何が起きるかわからない不安が彼女の足取りを一層重くする。

 だが、何とか部屋の前まで来ることが出来た。

 そして、震える手つきで鍵を取り出すと、鍵穴に差込み回す。

「…え……ど…どうして…」

 あずさは顔から血の気が引いた。

 左に回した先には、鍵が開く感触が無かったのだ。

 だが、家を出る時には、確かに鍵をかけた筈だった。

 あずさは胸が締め付けられる思いで、ゆっくりと鍵を右に回してみる。

…カチャ

 すると、案の定、鍵は金属音を立て、ドアに鍵をかけた。

「………」

 あずさは固まったまま、仕事の時を思い起こしてみる。

…みんな…居た…よね…?

 終日、自らを監視していた相馬たちの顔が彼女の頭を過ぎる。

 もちろん、思い出したくなどなかったが、それによりあずさは更に混乱に陥った。

 彼らはここに来る時間など無かったからである。

…だ、誰?

…そ、それとも…私…鍵掛け忘れちゃったのかな…??

 確信すら疑念に変わり、あずさは困惑した表情のまま鍵の先だけを見ていた。

 自らに安住の地など無いことを悟るように。






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