第11話「萌芽(1)」 少しづつ冬の足音が聞こえてくる頃。 あずさの日常は刻一刻と荒んで来ていた。 殆ど徹夜で男たちに抱かれ続け、仕事でも絶え間なく下半身を嬲られている。 だが、皮肉にも彼女自身がその生活に慣れつつあった。 そして意識までもが少しづつ変化している。 もっとも、あずさはまだその事に気づいていなかったが。 今日もあずさは「Piaキャロット」にて接客の仕事をしていた。 もちろん、下着は一切身に着けておらず、サイズが小さい制服を身に着けながら。 そして、秘部と肛門にはしっかりとバイブレーターが食い込んでいる。 今も、彼女は自らの秘肉を抉るバイブレーターに心と体を焦がされながら、客が去った後のテーブルを片付けていた。 …カチャ…カチャ 5人ほどのグループが食事を終えたテーブルは、たくさんの食器で埋め尽くされている。 普通であれば、空いた食器から随時下げていくのだが、そのグループはそんな間もなく帰っていったため、殆ど全ての食器がテーブルに置かれたままになっていた。 あずさは、そんな場所を一人片付けている。 夕方前という事もあり、店内はそんなに混んでは居なかったが、それでもオーダーを受けたり、料理を運んだりと葵やともみが慌しく店内を駆け回っていた。 彼女は一通りの食器を纏めると、テーブルを拭く為にダスターを取り出しゆっくりと拭きはじめる。 …クチュ だが、その矢先、秘部と肛門を塞いでいるバイブレーターが擦れ、彼女の肉の音を奏でた。 「……ひぃ…っ…」 あずさはその音と、その拍子に溢れ出し太股へ伝わっていく愛液の感触に、怯えたように身を縮ませる。 …うぅ… それでも彼女は背後を気にしながら、再びダスターを動かす。 だが、その度に疼痛のような刺激が下半身から体全体に流れた。 無意識に尻が震える。 …うぅ…我慢…出来ない… あずさは息を切らしながら、テーブルの奥を拭くように長椅子に座った。 同時に、椅子に圧迫され二つの異物が更にあずさの中へと埋まっていく。 そして、その先端は肉を隔てねっとりと絡みはじめる。 …はぁぁぁ…ぁぁ… 先ほどと比較にならない快感が彼女を襲った。 あずさは同僚たちがこちらを見ていないか確認しながら、そっとバイブレーターに手を伸ばす。 殆ど無意識の行為だった。 既に二つの張り型は彼女の愛液でベチャベチャである。 …い…いっぱい濡れてる… あずさはそんな事を思いながら、突き出しているバイブレーターの先をそっと弾いた。 …ぁぁ… 程よい快感が体を走っていく。 体は熱く火照りはじめ、再び衝動としてその感覚を彼女に要求する。 …ちょっとだけ… あずさはいかにも掃除をしているようなフリをしながら、盛んにバイブレーターを揺らし続けた。 その度に湧き上がる心地よい快感。 体はすっかり淫靡な空気に包まれていた。 彼女は、大股を広げながら、それを楽しんでいる。 もちろん、一歩間違えば見つかってしまうのだ。 しかも、後ろからは外が丸見えになっており、今も窓越し大勢に人間が通り過ぎている。 だが、その見られてしまうかも知れないスリルが彼女には堪らなかった。 …はぁぁ…気持ちいい… …イッちゃう…イッちゃうの… 絶頂へ駆け上っていくにつれ、あずさは全てがどうでもいいような思いに駆られる。 いっそ、誰かに見られたら…。 そんな退廃的な願いまでもが生まれ、神経を蝕んでいく。 …ぁぁ…イク…ぅ… …気持ちいいのぉ… …あぁ…ダメ…イっちゃぅぅぅぅぅ…!!! 「………!!…」 そして、程なくあずさは仰け反るように絶頂に達した。 右手こそダスターを握りテーブルに当てていたが、その格好はとても尋常と思えるものではなかった。 だが、幸いにもこの瞬間を見ていたものは居ない。 …き…気持ち…良かった… あずさは、再びテーブルに視線を下ろすと、虚ろな瞳でテーブルを拭きはじめた。 もちろん、バイブレーターを入れ替えるのを忘れる事はない。 そのルールは完全にあずさに刻み込まれていた。 相馬たち相手に気をやってしまっても手が伸びてしまう程に。 ……はぁ……はぁ… 彼女はそのまま長椅子に座りながら、新しいバイブレーターを秘部に迎え入れた。 すぐに新たな欲望が湧きあがってくる。 …また…誰か帰らないかな… あずさは無意識にそんな事を思いながら、空いた食器を洗い場まで運んでいった。 快楽のみを追い求める獣のように。 だが、暫くして我に返ると、自らの行為に彼女は恐怖するのだ。 …うぅ…私…、おかしく…なってる… 淫らな行為を強要され、絶望の淵に沈むあずさと… 自らを蝕む状況に恐怖しながらも、それを嬉々として受け入れるあずさ… しかし、どちらも、紛れもなく自分の姿なのだ。 あずさはそんな二つの顔を持ちながら、行き着く先が見えない仕事を続けていた。 そして、勤務が終わった後も、彼女は苦悩と恐怖に苛まれ続ける。 ただ今日は、店長の相馬以下、あずさを肉奴隷として扱っている男たちは出張や研修等で姿を見せておらず、勤務終了後の奉仕だけは免れていた。 しかし、本来であれば喜ぶべき事であるにも関わらず、あずさは奇妙な物足りなさを覚えている。 …あぁ…どうして…こんなに体が火照っちゃうの… 彼女は誰もいない事務所を見渡しながらそう思った。 いつもなら、自分はここで男たちの男根をしゃぶったり、制服姿のまま尻を貫かれているのだ。 聞くのも憚られる惨めな言葉を繰り返し喋らされ。 まるで奉仕する為に生きているような扱いを受け続ける。 「…あぁ…」 そんな理不尽な光景を思い出しながら、あずさは壁に凭れると床にしゃがみ込んだ。 どんなに忘れようとしても、その淫劇は頭から離れない。 そればかりか、今まさに彼女はそれを望んでいた。 「…が…我慢出来ないよ…」 あずさは声を震わせながら、そっと股間へと手を伸ばす。 そこには今も極太のバイブレーターがそれぞれの穴を塞いでいた。 「…はぁ…ぁぁ…」 いつしか手は、その2本の道具へと伸びている。 それは既に彼女の愛液で完全に濡れており、乾いても乾いても汁によって満たされる状態だった。 しかも、しゃがんでから僅かしか経っていないにも関わらず、床にまでポタポタと愛液が垂れ落ちている。 ……あぁ……どうして… …どうして…我慢出来ないの… そんな中、あずさは本能に押し切られるように、バイブレーターを動かしはじめた。 「…くぅぅ……気持ちいい…」 すぐに全身が痺れるような快感が溢れてくる。 乳首が固くなり、制服を押し上げているのがわかった。 「…あぁ…おっぱい…固くなってる…ぅ…」 「…蕩けちゃいそう…」 あずさはすっかり欲情しながら、次第に手の動きを早めていく。 バイブレーターは彼女の穴を容赦なく突き挿し、それにより新たな快感が導かれる。 しかも、誰にも見られていないのだ。 彼女の動きがどんどん浅ましくなっていくのは無理もなかった。 「…はぁ…はぁ…すごい…チンポ…」 「…あぁぁ…いいの…チンポいいの…」 そして、いつしかあずさは本物の男に犯されている光景を想像していた。 秘部と肛門に男根をねじ込み、荒々しく腰を動かす男。 あずさはその腹の上で、妖しいダンスを踊っている。 そう考えただけで、彼女は一気に絶頂への階段を昇りはじめた。 次第に真っ白になっていく頭。 「……あはぁぁああぁ…ま、またぁ…イ、イっちゃうぅぅぅ…」 こうしてあずさは、部屋に響き渡りそうな声で自らが達した事を証明する。 秘部を丸出しにした格好のまま。 「……あぁ……ダメ…」 それでも、何とか意識を繋ぎ止めると、彼女は弱々しい声を漏らした。 だが、それは理性が回復したからではない。 彼女は完全な満足を得られていなかったからである。 「…や…やっぱり…本物の…チンポじゃないと…」 まるで魘されているのかのように、あずさはそう呟いた。 そして、その欲求を満たす手段を思いつく。 「…帰らなきゃ」 あずさはよろめきながらも体を起こした。 自らの家に巣食う、獣たちを求めて。 数分後。 あずさは自分の家である寮にたどり着いていた。 ここまでどの道を通ってきたか、また、どうやって店を出たかすら覚えていない。 洋服はだらしなくずり落ち、まるで誰かに襲われたような姿をしていた。 だが、今のあずさにとって、それらは些細な出来事に過ぎない。 少しでも早く体の火照りを癒す。 それが全てだった。 …ガチャン あずさはドアを開けると、家の中へと入っていく。 もちろん、今日も鍵はかかっていなかった。 「おっ、あずさ早えじゃん」 「へへ、早くやろうぜぇ、今日はオナニー我慢して溜めてたんだからよ」 あどけない顔つきの男たちは、部屋に入ってきたあずさを見ると口々にそう言った。 誰一人として服を身に着けているものはいない。 そればかりか彼女の姿を見て、男根は既に固さを帯びはじめている。 「…はぁ…はぁ…ぁ…」 あずさはその光景を物欲しそうに眺めていた。 既に手はスカートのホックを外しはじめている。 「うひょ、今日は積極的だねぇ」 「へへっ、ようやく俺たちのチンポの良さがわかったんじゃねーの?」 「よっしゃ、腰が抜けるまで犯してやるぜ」 男たちは一斉に立ち上がると、あずさを取り囲むように移動していた。 そして、腰を突き出すと、男根を彼女に突き付ける。 完全な勃起をしているものはなかったが、どれも威圧するには十分な大きさになっていた。 「…あぁ…すごい…」 あずさは男たちの姿に目移りさせながら、次々と服を脱ぎ捨てていく。 すぐに彼女の綺麗な体が露わになる。 豊満で形の良い乳房。 既に愛液で濡れている恥毛。 それらが、余すところなく晒されているのだ。 「ホント素直になったな」 「ほら、好きなチンポから食べていいんだぜ?」 「…は、はい…」 全裸になったあずさは男にそう言われると、すぐに間近に見えた男根の前に跪いた。 眼前に生臭い男根が見えている。 「…はぁぁ…はむぅ…じゅぷ…」 彼女はそれを何の躊躇いもなく舐めはじめた。 ねっとりと唾液を舌にまぶし、全体に這わせていく。 そして、根元まで辿り着くと、再び亀頭まで引き返す。 それは男根をしゃぶる事を生業とする者に匹敵する動きだった。 「…はぶっ…ぅ…じゅる…」 あずさは次に男根を完全に咥えると、頭を動かし唇で扱きはじめる。 手では、しっかりと袋を弄っていた。 もちろん、これで彼女の焦燥感が癒される訳ではない。 だが、既にあずさの頭の中には、フェラチオが自らに快感をもたらすための対価であるという認識が本能的に植え付けられていた。 それゆえに、その動きには熱が籠もるのである。 「へへへへ、それじゃあ俺はマンコでも使わして貰うかな」 その狂った認識をダメ押しするかのように、別の男があずさの尻を掴んだ。 「…ふぁぁ…ぶぅ…ぁあ…」 それだけで何とも言えない甘い快感が彼女の体を走っていく。 だが、尻を弄られているだけでは当然絶頂に迎えるはずもなく、それをねだるように彼女は腰をくねらせる。 しかも、更に激しく男根への愛撫をはじめると、目の前に突き出された別の怒張にまで手を伸ばした。 「すげぇな…こいつ…」 「これが本性なのかな?」 これまで数え切れない程あずさを貫いてきた男ですら、彼女の動きに圧倒される。 だが、それに怯む事はなく、対抗するかのように欲望を加速させはじめた。 …にゅぷちゅ…ぐちゅ… 尻を掴んでいた男は、腰を押し付けると秘部に男根をねじ込んでいく。 彼女の花弁は止め処なく愛液が溢れており、何の抵抗もなく男根を咥えこんでいった。 そして、あずさが待ち望んだ感触が湧き上がりはじめる。 …あぁぁ…これ…これなの… …太くて…熱いチンポ… …あぁ…気持いい… もう理性はどこにも存在していなかった。 あずさは欲望と被虐心だけを増長させ、男の責めを受け入れている。 「…ちゅぱぁ…あぁ…いいの…もっと…もっと突いてぇ…!!」 人目を憚らず彼女は叫んだ。 隣の部屋に聞こえてもおかしくないほど大きな声だった。 もちろんあずさはそれを承知している。 それによって、更に快感が得られるからこそ、彼女はそれを選んだのだ。 秘部からは更に愛液が流れ出し、出入りする男根の速度を速めている。 「今日は一段と締まるな…へへっ、ご褒美にもっと突いてやるか」 「はぁん…嬉しい…、どんどん来てぇ…」 「早く…あなたのチンポでイかせて欲しいのぉ…」 息も絶え絶えに、あずさは男の方を向くと妖艶な笑顔を見せた。 顔は熱気で赤くなっており、唇の端からはだらしなく涎が垂れている。 …じゅぷぅ…ぐちゃ…じゅぽぉ… そんな彼女の姿に、男は限界まで動きを早めた。 動くたびに亀頭は子宮に当たり、激しい快感を送り込んでいく。 「…あはぁぁ…そ…それ…いいのぉ…」 「…も…もう…きちゃう…うぅ…」 程なく、待ちに待った感覚が、あずさの奥底から湧き上がってきた。 彼女は一刻も早くその瞬間を迎えるべく、男の動きに合わせ自らも腰を振りはじめる。 「…はぁ…ぁぁ…ぁああ…い、イクぅ……イクぅぅ…ぅはぁっぁぁ…ぁぁあああ…」 トーンがずれた声を張り上げ、あずさは絶頂に達した。 それはバイブレーターでは決して味わえない、目を剥くような快感だった。 こうして、あずさは完全に抜け出せない領域へと落ちていく。 望まぬ快感に溺れながら。 第12話へ |
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