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■mission■

 

 

 



24話 新世界(1)




「…………んっ」

 まだ薄暗さの残る室内であずさは目を覚ました。

 研修から戻って1ヶ月余り。彼女はPiaキャロットで働きながら今まで以上に目まぐるしい生活を送っている。もちろん、それは
真っ当な日常にはほど遠いものだった。

「…………」

 あずさはベッドから起き上がると、シャワーを浴びるためバスルームに向かう。

 当然のように何も身に付けていない身体には精液と思われる染みがあちこちにこびりついており、今も湿っている秘部からは男の名
残が漏れているのがわかる。

 それでも彼女はまるで意に介す様子もなく、それらをシャワーで洗い流すとバスタオルで身体を拭きながら部屋に戻ってきた。

 足の踏み場もないほどに荒れた室内。

 大部分が男たちが持ち込んだ飲食物や雑誌の類であったが、あずさの私物も容赦なく荒らされており、あたかも廃墟のような様相を
呈している。

 しかも、男の望むがままに着用した制服や衣装もその時のまま脱ぎ捨てられ、乾いた男汁の黄色い跡が汚らしさを醸し出していた。
また、それらの中で特に酷いのがショーツやストッキングで、どれも例外なく引き裂かれるとあちこちに散乱している。

 だが、あずさには掃除をする余裕も気力もなかった。

 いくら片付けようと数日もすれば元通りでは無理もない話であろう。

「…………」

 あずさは裸のまま散らかった部屋を漁ると、ゴミの山の中からピンク色の物体を掘り起こした。

 そう、それはかつて彼女が店で装着していた長井の肉棒を模したバイブレータに他ならない。

「…………ぁ」

 彼女はその野太い張形を手に取り、すぐに自らの股間へと埋めはじめた。

 それによりバイブレータは何の抵抗もなく肉に飲み込まれ、秘口はねっとりとした蜜を垂れ流す。

「……ぁぁん」

 みるみるうちに上気していく少女。

 その白い肌は見てわかる程に紅潮し、豊満な膨らみの先端にある突起が膨張していくのがわかる。

「はぁ……ぁ」

 それでもあずさは、バイブレータの感触を確かめるかのように秘部への出し入れを繰り返していた。

 しかし、自慰に耽っている訳ではない。

「……そろそろ行かなきゃ」

 彼女は時計に目を遣るとそのままの格好で外に出る。

 寮の廊下は両端に換気用の小窓が開いている以外に窓は存在せず、その姿が外から見られるような事はなかった。

 ただ、外である事に変わりはなく、あずさは独特の緊張感に苛まれながらも踊り場の方へと歩を進める。

「…………」

 すると、そこには美奈と涼子の姿があった。

 2人とも同じように全裸で、やはり股間にはピンク色のバイブレータが埋まっている。

 しかも、彼女たちはあずさが姿を見せても興味を示す事なく性に傾倒しているのだ。

「……ぁん」

 壁に凭れながら腰を上下に動かす涼子。

 太腿の内側は見てわかる程に湿っており、濃い目の陰毛が汚らしく光っていた。

「はぁ……ん」

 また、美奈は床にしゃがみ込むと張形を弄りながら自慰に耽っている。

 あの悪夢の夜以来、休みなく犯され続けた少女は今では姉を凌ほどの淫猥な牝に変化を遂げていた。

「はぁ、はぁ……はぁ」

 そして、生真面目で思いやりのあった涼子も、今では肉欲に溺れる一匹の牝でしかないのだ。

 熱気すら感じる程の異様な光景。

「…………」

 もちろん、あずさとて例外ではなかった。

 彼女たちの姿を目の当たりにし、身体は否が応でも熱くなっていく。

 しかし、出来る事なら模型ではなく本物の肉棒で絶頂を迎えたいと思っており、そんな狂った意識が淫らな行為を踏みとどまらせて
いた。

「くく、揃ってるな」

 そんな中、上階から姿を見せたのは長井である。

 いつしか寮長として住み着いていた彼は、この空間におけるあずさたちの支配者になっていた。

 朝の集まりも長井によってはじめられたもので、いかなる事情があっても参加しなければならないのだ。

 また、彼は後ろに3人の男たちを従えていたが、それが誰であるかはあずさにはわからない。

 もっとも、そのような事も日常茶飯事であり、今更気になる事はなかった。

「よし、点呼をはじめるぞ」

 長井の言葉に3人の少女たちは姿勢を整えると、彼の前に整列する。

 股間を満たすバイブレータの影響で、直立する姿はどことなくぎこちないものだったが、それはご愛敬というものであろう。

「日野森あずさ」

「はい、本日は遅番出勤でトイレ担当をさせていただきます」

「日野森美奈」

「はいっ。きょ、今日は遅番です。ホール担当です」

「双葉涼子」

「はい……。本日はデリバリ担当になります。皆様のために精一杯頑張ります」

 裸体を少しも隠す事なく、3人は点呼に応じていた。

 本来、Piaキャロットの業務は接客やレジが仕事のホール担当、調理や皿洗いなどが主体のキッチン担当、在庫管理や片付けなど
を行う倉庫担当と3つに分類されている。

 ところが最近、中杉通り店にはトイレ担当とデリバリ担当が新たに追加されたのだ。

 言うまでもなく、トイレ担当とは男子従業員の性欲処理を担う仕事であり、デリバリ担当とは非公式ながらもPiaキャロットから
客の家に赴き性奉仕を行うといういわゆるデリヘルの類であった。

 しかも、デリバリ部門は担当者の人件費を極限まで抑えているおかげで、相場より遥かに安い価格での利用が可能なため、予約が入
る程の人気になっている。

「涼子、研修の方はどうなってる?」

「はい、先日送り出したメンバーは今週中に戻る予定です。皆様のご指導によってどの部門でも立派に貢献出来ると思いますわ」

 涼子はそう言うと目を輝かせた。

 そう、Piaキャロットで働く女性はほぼ全員が籠絡されており、近い将来――彼女たち同様に忠実な肉奴隷へと変化を遂げる事は
想像に難しくないだろう。

 事実、自らも同じ道を歩んだ涼子の変貌は著しく、今では長井に心酔し自らの意志で寮に引っ越してくる程であった。

「へへ、ご苦労」

 長井は満足そうに目を細めると、自らズボンのチャックを下ろす。

 そして、半勃起した男根を露わにするのである。

「うふっ、いつもながら素敵なチンポですわ」

「……あぁん、美奈――我慢出来ない」

 だれともなく肉棒に群がる少女たち。

 それはあずさも例外ではなかった。

 数え切れないほど身体に刻まれた男根の温もりが拒絶する事を許さないのである。

「あん、いい匂い……」

 3人は我先にと男根へ舌を伸ばした。

 涼子が正面から亀頭に吸い付き、両側からあずさと美奈が愛撫を加えていく。

「ちゅる、ちゅぷ」

「……ふぁぶ、じゅるる」

 竿を唾液で満たす姉と、玉袋を舐め上げる妹。

 躊躇など何処にもない。快感をもたらす肉の神器を清めるのは必然の行為なのだ。

「……あぁん、おチンポ」

「じゅる……おいひぃのぉ」

 姉妹の淫猥な責めに男根が反り返っていくのがわかった。

「ふぁぁ……ちゅるぅ」

 涼子もその変化に瞳を潤ませると、ねっとりと男根を責め上げる。

 浅ましく亀頭を口内で包み込み、唇で舐りながら。

 その動きはあずさたちに頭突きでも食らわせるのではないかと思える程に激しく、自らの欲望のままに奉仕している事が窺えた。

 もっとも、彼女たちの方も涼子などに構ってはおらず、固くなった男根に心を奪われている。

「ちゅぷ、じゅるる……長井様のチンポ美味しいですわ、ちゅぷ……」

「ちゅぱ、ちゅぷ、美奈もこれ大好き……じゅぷ」

「じゅちゅ……ちゅぽ、あぁん……おチンポあったかい……」

 しきりに肉棒をしゃぶりながら、膣内に埋まる同じ感触で身体を熱くする少女たち。

 その快感が更なる欲望を生み出し、淫猥な口戯へと繋がっていくのだ。

「……あん、ふぁぶぅ」

 あずさは妹に代わり玉袋を口に含んでいた。

 舌に伝わる陰毛の感触。

 それは決して気持ちのいいものではなかったが、長井は明らかに舌遣いに反応を示しており、躊躇している暇はなかった。

「……あん、素敵ですぅ……ちゅぷ、ちゅる」

 美奈はあずさと入れ替わるように竿の方の愛撫に移っている。

 しかし妹は姉ほど控え目ではなく、竿から先端の方へ範囲を広げるとこれまで涼子の独擅場あった亀頭へ舌を絡めるのだ。

「ちゅ、ちゅぷ、ちゅぱ」

 まるでキスでもするかのように顔を寄せると、至近距離で亀頭を舐る2人。

 涼子が浸食を許したのは、崇拝する長井への奉仕が滞るのを嫌っただけであり、自らが一番射精に貢献出来るという自信の表れでも
あろう。

 事実、動く範囲が減っても彼女の熱意が衰える事はなかった。

「ふぁ、太いのぉ……ちゅぷ、じゅぽ」

 粘度のある唾液を滴らせ、執拗に唇で刺激を加える。

「あぁん……おちんちんまた固くなってますぅ、じゅるる」

 その濃密な性戯に、美奈も負けじと亀頭に吸い付くのだ。

 まるで涼子に操られているかのように。

「へへ、もっと気合い入れてしゃぶらんかい! 俺様の貴重なザーメン――ぶっかけてやんねぇぞ、オラァ!」

 長井はそれでも更なる奉仕を求める。

 そして、言われるがままに尽くす少女たちに欲望の滾りをぶつけるのだ。

「あぁん……来るのぉ」

 最初に反応したのはあずさであった。

 彼女は脈打つ肉棒を感じると、美奈と涼子の間に割り込むように顔を移動させる。

 そこは亀頭の正面であり、今まさに精液が噴き上がろうとしていた。

「あん、お姉ちゃんずるいぃ」

「あずささん、抜け駆けは許さないわよ」

 すると、2人もすぐに顔を密着させ、嬉々として男根に顔を寄せるのだ。

 そんな彼女たちにぶち撒けられる精液。

 顔を背ける者は1人としていない。

「ふぁ……おチンポ汁いっぱい……」

「はぁ、はぁ……長井おじ様のザーメン気持ちいいですぅ」

「あぁ、ぁん、素敵……もっと汚して下さいませ……」

 あずさたちは練乳のような白濁液に顔を染めながら、思い思いの反応を浮かべていた。

 そして、生温かい精液の温もりに秘部も呼応し、溢れた愛液がバイブレータを伝うとコンクリートを濡らしている。

 それほどまでに心地よい瞬間。

「あぁん……ちゅぷ」

「あっ、美奈も舐めるのぉ」

 こうして、彼女たちは長井が口を挟むまで、飽きることなく肉棒の後始末をはじめるのだ。

 その赤黒く染まった亀頭を奪い合いながら。




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