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■dearly■

 

 

 




             

第4章







  その夜、名雪はベッドの上で自らの男根を扱きながら天井を見ていた。

…あぁ…気持ちよかったよ…

  隆々と勃起し、先端から止めど無く粘液を滴らせる男根には、あゆの口や秘部の感触が
しっかりと染みついており、再びそれを求めるように名雪は浅ましく男根を捏ねくり回して
いる。

…次はどうやって…楽しもうかな………ぁぁあ…

  そして、新たな欲望に思いを馳せながら名雪は絶頂に達した。

  大量の白濁液が、自らに降りかかる。

…はぁ…はぁ…

  名雪は、手と腹を白く染める精液を見ながら、ただ、うっとりと微笑んだ。

  満足感と征服感。

  そして、すぐに訪れる空腹感。

  だが、そんな名雪を得体の知れない何かが蝕みはじめていることに、彼女は気づく由も
なかった。




  翌朝。

  名雪は、また自ら目を覚ますと、着替えを済ませ何事もなかったようにリビングに降りる。

  そして、テーブルに置かれたトーストに手を伸ばし、ゆっくりと口をつけた。

「…あら、名雪…おはよう」

  その音に気がつき、キッチンから秋子が顔を覗かせると、優しく名雪に声をかける。

「…おはようございます」

  名雪もすぐに挨拶を返したが、他に反応する様子もなく、ただトーストを頬張り続けた。

「………」

  秋子は言葉では言い表せない違和感を感じながらも、再びキッチンに戻る。

  そして、コーヒーを注いで来ると、名雪に差し出した。

「コーヒーでよかったわよね…?………??」

  しかし、その時、秋子は思わず言葉に詰まる。

  違和感が具体的になったのだ。

「…うん」

  だが、名雪は、そんな秋子の反応を気に留める様子もなく、渡されたコーヒーを口に運んで
いる。

「………」
  
  秋子はそんな光景を見ながら、さり気なく口を開いた。

「…名雪…?今日はジャム塗ってないのね…?」

「…あっ…うん…そうだね…」

  名雪は、トーストに何も塗っていなかった。

  いつもなら、焦げ目が見えなくなるほどイチゴのジャムを塗っている筈だったが、まるで、
以前からこれが当たり前であるかのように彼女は答えた。

  しかも、自らも違和感を感じたのか、トーストの表面に目を凝らしている。

「………」

  秋子はそれ以上、何も言えなかった。

  そればかりか、更に言い知れぬ不安が頭を過ぎる。

「ごちそうさま」

  しかし、そんな秋子をよそに、名雪はトーストとコーヒーを胃に収めると席を立った。

「それじゃあ、行って来るね」

  そして、ゆっくりと玄関に向かう。

「行ってらっしゃい」

  秋子は不安を吹き飛ばすように、優しく声をかける。

  だが、その場から動く事は出来ず、ただ立ち尽くすのみだった。




………

  名雪はただ、学校への道を急いでいる。

  ほとんど無意識と言ってもよかった。

  そんな中で、名雪は空を見上げる。

…どうしちゃったんだろう…

  名雪は自らの意識が希薄になっているのを感じていた。

  トーストの件もそうだった。

  まるで、自らと別の人格が息づいているような感覚を覚えている。

…恐いよ…

  名雪は身を震わせる。

  しかし、その仕草すら表に出ることはなかった。

  そして、名雪は学校に辿り着く。

  随分と久しぶりの光景だった。

  だが、やはり、さほどの感動を覚える事も無く、ただ玄関に向かい歩を進める。

  その時だった。

「…名雪?」

  背後から、自らの名前を呼ぶ者がいる。

  その声を聞いた瞬間、名雪は自らの体が軽くなった気がした。 

  そして、ゆっくりと振り返る。

「…香里…」

  目の前には、親友の香里がいつものように凛とした笑顔を見せていた。

  ほんの二日前に会ったばかりだと言うのに、思わず涙が零れる。

「会いたかった…よ…」

  名雪は恥ずかしさも省みず、香里に抱きついた。

「…何言ってるのよ?一昨日会ったばかりじゃない」

  香里は呆れたように呟いたが、それでも、優しく名雪を受け入れる。

  あっという間に二人は多くの生徒の視線を集めた。

  だが、そんな事は二人にとってどうでもよかった。

  しかし、その時、名雪の男根は思い出したかのように、熱を帯びはじめる。

…あ…

  名雪は思わず仰け反った。

「……どうかした?」

  香里は意外そうな顔で名雪を見る。

「…うぅうん…なんでもないよ…」

  名雪は必死に平静を装いながら、さり気なく鞄を股間に当て前を向いた。

「…そろそろ…行こうよ」

  そして、何事もなかったように歩きはじめる。

「………」

  香里は腑に落ちない何かを感じながらも、無言で名雪の後に続いた。


  二人は教室へ向かう廊下を歩いている。

………

  しかし、未だ名雪の心臓は激しく高鳴っていた。

  体には香里の温もりがしっかりと残り、それを感じるように男根は止めど無く脈を打つ。

  今すぐにでも男根を扱きはじめたい衝動が襲った。

「……どうかしたの?」

  香里はそんな名雪を見て、心配そうに声をかける。

「………」

  だが、名雪は何も答えられなかった。

  今、口を開けば、どんなおぞましい言葉を紡いでしまうか想像も出来なかった。

  そして、ただ申し訳なさそうに香里を見ると、小さく首を振る。

  香里はそれ以上、何も言わなかった。

  やがて、二人は教室に辿り着く。

  クラスメイトはそれぞれの面持ちで、名雪を出迎えた。

  教室を小さな歓声が包み込む。

  だが、主役であるはずの名雪の心は、その輪の中には入っていなかった。

  その心は、ただ、自らを包んでいない存在を見ている。

  それは、祐一と香里だった。



  予鈴が鳴り、担任が教室へ向かってくる頃、ようやく名雪の体は開放された。

  そして、何事もなかったように自らの席につく。

  火照った体は、いつの間にか落ち着きを取り戻しており、再び鈍重とした感覚が自らを襲って
いる。

  だが、名雪はゆっくりと振り返ると、香里に向かい、静かに口を開いた。

「…香里…さっきはゴメン…」

  気の効いた言葉は浮かばなかったが、それでも名雪は心を込めて香里に呟く。

  目は涙に潤んでいた。

「…気にする事はないわよ」

  香里は素っ気なく答える。

  だが、その口調は、いつもの穏やかな彼女の口ぶりに他ならなかった。

  そして、真っ直ぐに名雪を見るとゆっくりと微笑む。

「…ありがとう…」

  名雪は、真底嬉しかった。

  瞳から零れた涙を拭うと、彼女も満面の笑みを浮かべる。

  まさに、二人だけの時間。

  それは、教師がこの部屋に入ってくるまで続いた。



キーンコーン

  無機質なチャイムの音が響き、一時間目の授業が幕を閉じる。

  名雪は我に返ったようにシャープペンを置いた。

  そして、横目で隣の席を見る。

  そこには祐一の姿があった。

  久しぶりに見るが、何も変わりはない感じがする。

「…祐一?」

  名雪は静かに話しかけてみた。

「どうかしたか?」

  しかし、祐一の返答は素っ気無い。

  これも、彼らしい態度だったが、名雪は香里の時と同じ気持ちにはなれなかった。

…あ…そうだ…

  その時、名雪の頭にどす黒い思考が過ぎる。

「…今日…。祐一の家に行ってもいいかな?」  

「家へ?何かあるのか?」

「う〜ん。実はあゆちゃんに頼まれてた事があるんだ…」

  大嘘だったが、構わなかった。

「…そうなのか?それなら構わないが…」

  そして、祐一も渋々ながら受け入れる。

「助かるよ、祐一」

  名雪は嬉しそうに笑った。

  そして、次の時間から、名雪は教師の声など何処吹く風で妄想に浸りはじめた。

  再び毒牙に斯ける、いたいけな蝶の姿を思い浮かべながら。



  こうして、待ちに待った放課後を迎えた。

  名雪は嬉しそうに香里や北川に手を振ると、祐一と一緒に教室を後にする。

  しかし、名雪が嬉しかったのは、祐一と一緒に帰れるからではなかった。

  ただ、彼の家に居る、自らの性欲を満たす存在に会えるからに他ならない。

  家へ向かう道程では、二人は無言だった。

  名雪も会話を作ろうとする衝動を抑える。

  祐一と話をすればするほど、いい知れぬ孤独感が沸き上がって来そうな気がした。

  そして、見覚えのあるマンションに辿り着く。

  名雪は逸る気持ちを抑え、祐一の後に続いた。

  彼は、その部屋の前で立ち止まると、ポケットから鍵を取り出し、鍵穴に差し込む。  

  そして、鍵を開けると、ゆっくりとドアを開いた。

「ただいま」

「おかえりなさい〜」

  パタパタと部屋の奥から、躍動感のある、あゆの声と足音が聞こえてくる。

「今日は…え…?」

  しかし、名雪の顔を見た瞬間、あゆは凍ったように固まった。

  名雪はただ、静かに微笑んでいる。

「ん?あゆ、どうかしたのか?」

  祐一は状況が飲み込めず、あゆの顔を覗きこんだ。

「…ぅ…うぐっ…何でもないよ」

  あゆは必死に平静を取り繕う。

…やっぱり、言ってないんだね。

  名雪はそう思いながら、あゆを眺めると、彼女は普段見せた事のないような、額が全て隠れる
ほどの大きなヘアバンドを着けていた。

…あゆちゃんも必死だね…。

  名雪は思わず声を出して笑いそうになったが、自らを抑えると、祐一の誘いに応じ部屋に入
る。

「あゆちゃん、ちょっと…」

  そして、居間に向かう祐一を尻目に、名雪はあゆの手を引きキッチンへ入った。

「…どうして…名雪さんが…」

  あゆは半ば泣きそうな声で、小さく呟く。

「もちろん、あゆちゃんとやりたかったからだよ」

  名雪は平然と笑顔で返す。

「…うぐぅ…。でも、祐一が居るんだよ」

「大丈夫だよ、これを使えば」

  困惑するあゆに、名雪はポケットから小さなカプセルを取り出し、目の前に翳した。

「…これって…?」

「睡眠薬…だよ」

  それは、以前、香里の家から持ってきた薬だった。

「そ…そんな、出来ないよ…」

  あゆは辛そうな表情を浮かべ、首を横に振る。

  だが、名雪の対応は以前にも増して冷ややかだった。

「じゃあ、今すぐここでやる…?祐一に見られながら」

「…うぐ…ぅ…」

  あゆは涙を浮かべながら、言葉を詰まらせる。

  そして、しばらく悩んだあと、その薬を祐一のカップに落とした。

「………」

「よく出来たね。偉い、偉い」

  名雪は笑いながら、そのカップをお盆に乗せると祐一の元へ運んだ。

「はい…お茶だよ」

「サンキュ」

  祐一は雑誌に目を通しながら、特に気にする事もなく、目の前に差し出されたカップを受け
取った。

  そして、一気に半分ほど飲み干すと、テーブルの上に置く。

  キッチンからはあゆも心配そうにその光景を眺めていた。

  やがて、祐一は酷く気だるそうな仕草を見せはじめる。

「…なんか眠くなってきたぞ…」

  そして、独り言のように呟くと、沈み込むように眠りについた。

「もう…効いちゃったかな?」

  名雪は床に寝そべっている祐一の頬をつつくと、完全に寝ているかを確認する。

  もちろん、彼はそれに反応する事はなかった。

「………」

  いつの間にか、あゆも傍に来て祐一を見ている。

  その顔は、落胆と恐怖に歪んでいた。

「さぁ、これからは私たちの時間だよ」

  しかし、そんな時間すら許さないと言ったように、名雪はあゆの手を引くと、自らの前に
座らせる。

  股間からは既に痛々しいほど勃起した男根が顔を覗かせていた。

「…ひぃぃ…」

  あゆの顔が更に強張った。

  だが、逃れる術など何処にも無い。

  名雪はその凶器を掴むと、あゆの顔の前に晒した。

  独特の匂いと熱があゆの鼻をつく。

「さぁ、しゃぶってね…あゆちゃん」

「…うぅ…」

  あゆは恐る恐る手を伸ばした。

  すぐに指先に熱を帯びた肉棒が絡む。

  それは、汗と粘液でベタベタになっていた。

「…ぅ…ぅぅ…」

  あゆは気色の悪さに指を離す。

「あれっ?ダメだよ?」

  しかし、名雪は子悪魔的な微笑を浮かべると、あゆの髪を鷲掴みにした。

「…あっ…ぃいたっ…」

  情け容赦なく引っ張られる髪の衝撃に、あゆは苦しそうに声を上げる。

「痛いって言ってるだけじゃ、何にもならないよ?」

  だが、名雪はそう言うと、更に強く髪を引っ張った。

  ヘアバンドがずり落ち、昨日、無惨に引き千切られた生え際が顔を覗かせる。

「あゆちゃんのハゲって笑えるね。そうだ祐一にも見てもらおうよ?」

「…うぐぅぅ…嫌ぁぁ…」

  しかし、更なる名雪の言葉に、あゆは屈すると、涙を流しながら彼女の男根に縋りついた。

  そして、情けない表情を浮かべながら、青筋を浮かべた竿に舌を這わせる。

  あゆは必死だった。

  襲い来る苦痛と、祐一に見られたくない一心で、ただ奉仕を続ける。  

「なんだ、上手に出来るんだ。最初からすればいいのに」

  名雪は、股間から広がる快感に満足そうな表情を浮かべ、腰を突き出した。

  亀頭の先端からは、更に蜜が溢れ続ける。

…ぐちゅ…ちゅぶ…

  そして、その蜜はあゆの舌と絡み、卑猥な音を室内に響かせた。

  その音が名雪の頭に心地よく響く。

「上手いよ…あゆちゃん…。もう…イッちゃうよ…」

  名雪は押し寄せてくる絶頂を感じると、赤黒く染まった男根をあゆの口に押し込んだ。

「出すから、口に溜めてね…」

「…ぅぅ…ぐぅ…」

  そして、恐怖に顔を歪めるあゆを尻目に、名雪は一気に溜まった欲望を叩き付ける。

…びゅく…びゅるる…

  激しく精液があゆの喉を打つ。

  我慢していただけあって、量も濃さも半端ではなかった。

  何度も何度も、名雪は腰を震わせ、あゆの口の中へ精液を注ぎ込んでいく。

  あっという間に、あゆの口は名雪の汚液でいっぱいになり、許容を超えた粘液は口の端から
溢れていった。

「ぎゅる…ぅ…ぐぷっ…」

  だが、それでもあゆは健気に堪える。

  目の前で眠りについている祐一が、悲しいかな彼女の鎖になっていた。

「はぁ…はぁ…」

  そして、ようやく名雪の射精は終わりを迎える。

  あゆは、顔はおろか、鼻からも精液を逆流させ、見るも無惨な表情で名雪の男根を咥えてい
た。

「あゆちゃん…凄い顔…」

  名雪は満足そうにあゆを見下すと、ゆっくりと彼女の口から男根を引き抜く。

  ねっとりと絡んだ白濁液が糸を引くように流れ落ちた。

  だが、未だあゆは大半の精液を零さず口に溜めている。

「じゃあ、ゆっくり口を開いて見せてみて」

  名雪は、自らの精液とあゆの唾液で汚れた男根を、彼女の髪で拭いながら、次の行動を促した。

  あゆは口の端を震えさせながら、慎重に口を開ける。

  喉が見えないほど、白い粘液が池を作っていた。

  歯も余すところなく汚液に侵されている。

「いい眺めだよ」

  名雪は満足そうに笑った。

  もっとも、これは祐一に見せてやりたいと思ったが、それは口に出す事はしなかった。

「じゃあ、全部飲んでいいよ」

  そして、あゆに最後の屈辱を与える。

「………」

  あゆは泣きそうになりながら、必死に飲み込もうとした。

  だが、余りにも大量な為、なかなか喉を通らない。

  いつの間にか、涙は頬を伝わり、精液と混ざり合っていた。

…ごくっ…ごくん…

  しかし、ようやくあゆはその全てを飲み干す。

「…うぅう…」

  そして、苦しそうに嗚咽を漏らした。

「よく出来ました」

  だが名雪は、あゆの前に腰を下ろすと、そう言いながら彼女の頭を優しく撫でる。

「…ぅ…え…?」

  あゆは意外そうな顔で名雪を見た。

…もう…終わり…?

  そして、あゆの脳裏に微かな期待が宿る。

「…この調子で次もしっかりね…」

  だが、その望みは名雪の一言で打ち砕かれた。

「つ…次…って…??」

  再び恐怖に顔を曇らせ、あゆは恐る恐る名雪に呟く。

「ちょっと待ってね…」

  名雪は制服の前のボタンを外していた。

  すぐに綺麗な乳房が顔を覗かせる。

  そして、その二つの膨らみと腹を晒しながら、名雪は大の字になり、再び勃起している男根を
掴んだ。

「それじゃあ、今度はあゆちゃんが自分で入れて、動くんだよ」

「…え……」

  あゆは、思わず困惑の表情を浮かべた。

  名雪は、まるで祐一の頭を足で挟むような場所に腰を下ろしていたからである。  

「…どうしたの?あゆちゃん?」

「…そ…そこじゃ…」

  あゆは恥ずかしそうに、口に手を当てた。

「え?だって、ここなら祐一が目を覚ましたら、すぐにあゆちゃんのお尻が見えるんだよ?
いい場所だよね」

  しかし、名雪は平然と答える。

  あゆは、名雪が意図してその場所を選んだ事を知り、更に落胆した。

  だが、拒否する事は出来ない。

「ほらっ。本当に祐一起きちゃうよ?」

「………」

  あゆは、促されるままに半ズボンを下ろすと、ショーツを露出させた。

  すぐにそれも脱ぎ去ると、薄い恥毛を晒しながら、名雪に近寄る。

…祐一くん…ゴメンなさい…。

  そして、心の中で何度も謝罪しながら、あゆは祐一の頭を跨いだ。

  目の前には名雪の男根が待ち受けている。

  名雪は妖しい笑顔で、あゆの動きに注目していた。

「………」

  あゆは腰を浮かせると、秘部に名雪の亀頭をあてがう。

  ねっとりとした熱が体中に伝わった。

  そして、少しづつ腰を沈めていく。

…じゅぷ…

「…くぅ…っ…」

  野太い男根が膣内に埋まると同時に、あゆの体を張り裂けそうな痛みが走った。

  しかし、名雪には極上とも言える快感が押し寄せてくる。

「…ぅぅ…ぐぅ…いたっ…」

「はぁ…はぁ…やっぱり、あゆちゃんの中…気持ちいい……。動いてぇ……」

  対象的に二人は声を絞り出し悶えた。

  あゆは、苦痛に顔を歪めながらも、祐一が目を覚ますと言う悪夢に怯え、必死に腰を動かし
続ける。

  その刺激は何倍にもなり、名雪の心を溶かした。

「…はぁ…はぁ…いいよぉ…」

  そして名雪は、涎を垂らしながら自らの乳房を愛撫し、あゆの動きに身を委ねている。

「…ぁあ…もう…イッちゃうぅ…」

  すぐに絶頂は訪れた。

…びゅく…びゅく…

  精液が勢いよく、あゆの膣内に注がれる。

「…ひぃ…うぅぅ…」

  その衝撃にあゆは身をよじらせるが、祐一に精液がかかるのを恐れ、必死に抑え込んだ。

  しかし、あゆの膣では名雪の精液を受け入れ切れず、すぐに逆流をはじめる。

  床に零れた、その粘液は祐一の顔の手前まで流れた。

「…ぅぅ…」

  あゆは、ただ怯えながら、その光景を見ている。

  だが、名雪の行為が一回で終わる訳はなかった。

「…さぁ、あゆちゃん…もう一回だよ」

  名雪はそう言うと、あゆの太腿を掴み、自らの方へ引き寄せると腰を突き上げる。

「…ひぃぃ…」

  再び激しい苦痛があゆを襲った。

  そして、その反動で溜まっていた大量の精液が、あゆの秘部から溢れ出る。

「…やぁぁ…あぁ…」

  名雪の方へ体を引き寄せられているため、祐一の惨状が目に入る事はなかったが、それを
想像しただけで  あゆは気が狂いそうだった。

  一方の名雪は、そんなあゆの気持ちなどお構いなしに、ただ自らの快楽のみに溺れている。

「…はぁぁ…いい…よぉ…」

  まるで本能のみで生きているかのように、名雪はあゆを求め続けた。

  そして、あゆの膣内に二度目の射精をすると、名雪は自ら男根を抜き、あゆに覆い被さる。

「あゆ…ちゃん…もっとだよ…」

「………」

  あゆは、表情では嫌がっているものの、それが体に伝わる事はなかった。

  名雪は、そんなあゆのセーターを捲り上げ、ブラジャーを引き裂くと、まだ未発達と言う表現が
相応しい彼女の乳房を曝け出す。

「…えへへ…」

  そして、自らの男根をその谷間にあてがうと、激しく乳房を握り、包み込むように押し当てた。

  もちろん、巨根を全て挟み込める訳もなかったが、名雪はその分、男根を谷間の肉に埋め込む
ように押し付けると、激しく腰を振りはじめる。  

…ずっ…

「…ぐぁは…ぅぅ…」

  動く度に、息苦しさがあゆを襲った。

  だが、名雪の目には、そんなあゆの苦痛も映ってはいない。

  ただ時間を惜しむように快楽を貪っていた。

  やがて、名雪は気持ち良さそうに、乳房で絶頂を迎える。

  飛び散った精液は胸だけでなく、顔や腹までも満遍なく汚していた。

  そして、ようやく狂った時間が終わりを迎える。  







「それじゃあ、また来るね…」

  制服を正した名雪は、そう言うと、ゆっくりと立ちあがった。

  先ほどの狂気が嘘のような落ち着きぶりだった。

  後では、汗と精液にまみれたあゆが、祐一に寄り添うように床に這っている。

  肌蹴た胸は、名雪の手形がくっきりとついており、それだけで痛々しかった。

  そして、ただ呆然と祐一の髪に染みついた名雪の汚液を拭き取っている。

  彼女の存在など、既に目には入っていなかった。

  名雪も振り返ると、無言で部屋を後にする。



  外は一段と寒かった。

  既に日は沈み、吐いた息は鮮やかに白い。

  名雪は未だ余韻覚めやらぬ感情を抑えながら、ゆっくりと帰路に就く、

  …筈だった。

  だが、名雪の足は自らの家とは違う方向へ向いている。

  それは彼女の意思と呼べるものではなかった。




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