…辛いよ…
…このままじゃ…もう…ダメなのかな…
…でも…あと少し…
…あと少しだけ…私に…夢を見せて…
…お願い…
翌朝。
栞はいつものようにカーディガンを羽織ると、静かに部屋のドアを開ける。
朝の寒さが廊下を包んでいた。
そして、彼女は廊下の一番奥にあるドアに目をやる。
そこは姉・香里の部屋だった。
昨日、祐一に運んでもらい、部屋に寝かせてから姉は一度も外に出ていない。
夜半、何度か両親が声をかけたが、外に出る事は拒絶していた。
…お姉ちゃん…拗ねちゃダメだよ…
栞は少しだけ心配する心を押し殺すと、わざと悪びれるように呟き姉の部屋に背を向ける。
そして、ゆっくりと階段を下りた。
階下では、朝ご飯の匂いがほのかに漂っている。
「…おはよう、お母さん」
栞はキッチンに居る母親に声をかけると、自分の席に座った。
「あら、今日も早いわね」
「やっぱり早起きが一番かなって思ったの」
「まあまあ、いつもは起こされても起きない子の台詞じゃないわね」
「えへへ」
穏やかな朝のやり取り。
そして、すぐに温められたミルクが栞の前に差し出される。
「ありがとう」
栞は湯気の立つカップを持つと笑顔で応えた。
母親は再びキッチンに戻る。
「栞?」
「なに?お母さん?」
「…香里どうしたのかしら?」
「…………………」
栞は一瞬返答に窮した。
だが、心を落ち着かせると、キッチンに向かい口を開く。
「…私もちょっと分からないよ…でもね、学校から帰ってきたときは何でもなかったよ?」
「そう、どうしたのかしらね…」
「大丈夫だよ、あとでお姉ちゃんと話してみるよ」
「うん。お願いね…栞」
「任せて下さい」
栞は胸を張って見せた。
だが、内心はこの場で香里が降りてきたら、どういう風に声をかけるべきか全く思いつかないのだ。
彼女は少し冷めてきたミルクを啜りながら、ドア越しに見える階段の方をじっと見つめる。
そうこうしているうちに、母親は姉の分の朝食を作り終え、自らも食事をはじめた。
「香里…今日は学校ダメそうね…いちおう連絡入れておくわ」
「…うん」
「お母さん…今日ちょっと遅くなるんだけど、もし…何かあったらすぐ連絡ちょうだいね…」
「うん、しっかりお姉ちゃん見ておくよ」
「…あなたの事もよ…栞…」
「…はい」
母親の心配そうな顔を見て、栞は少しだけ恐縮した。
…でもね…お母さん…もう私は…そんなに心配される資格のある子供じゃないの…
栞は心の中でそう呟くと、すっかり冷えたミルクを飲み干す。
そして、母親を見送ると部屋に戻った。
ベッドに横になりながら机の上にある写真を見つめる。
それは昨年の秋に撮られた栞と香里が二人で写る写真だった。
…あの頃は…まだ私を妹だと思ってくれてたんだよね…
…でも…どうして…こんなになっちゃったんだろう…
…おかしいよね…
栞は顔を伏せる。
…凄く寂しかったんだから…
…そう…だから私は…こんな事してるのよ…
…想い出作りなんかじゃないの…
…お姉ちゃんが許せない…
…いや…お姉ちゃんと関わりのある人…みんな許せない…
…私だけ…のけ者にして…
栞の奥底から何かが沸々と湧き上がってきた。
…そう…お姉ちゃんには当然の報いだよ…
…だから悲しむ事なんか何にもないんだよ…
…わかってくれるよね…お母さん…
栞は顔を上げた。
そして、ベッドから起きあがるとパジャマを脱ぎ捨てる。
…今日は…もっともっと楽しむんだから…
栞はいつもの服に着替えると部屋を出た。
再び香里の部屋に目を向ける。
…お姉ちゃん…逃げちゃダメだよ…?
栞はクスっと笑うと、静かに階段を下りていく。
そして、すぐに外に出た。
遠くから響く喧噪に混じり、冷たい風が栞の体を打つ。
だが、栞はストールを羽織ると、ゆっくりと歩きはじめた。
もちろん向かった先は学校である。
栞は学校に辿り着くと、中庭に向かった。
当然誰一人としてそこにいる者はない。
…さぁ、祐一さん…私は今日も来ましたよ?
栞は校舎を見上げた。
目的の場所を見ると、案の定祐一がこちらを見ていた。
ひどく怯えた目で。
栞はそれに笑顔で応える。
そして、小さく手招きをした。
彼はすぐに立ち上がる。
…うふっ、さすが祐一さん。もうすっかり私の虜ですね
栞は小さく笑うと、混乱に包まれていた教室を見ていた。
しかし、程なく中庭の扉が開くと、転がるように祐一が向かってくる。
「…し、栞…どうしたんだ…?」
彼は半泣きの状態で、縋るように栞の前にしゃがみ込んだ。
「今日も元気そうですね、祐一さん」
「げ、元気…って…、み、美坂はどうしたんだ…ま、まさか…」
最悪の想像でもしていたのだろう、祐一はすっかり痩けた目を開くと弱々しく呟く。
…あらあら…こんな情けない人だったんだ祐一さんって
…ちょっと幻滅かな…
…でも、もう関係ないけど…
「お姉ちゃんは何もしてないと思いますよ?」
「そ、そうか…」
「やっぱり祐一さんの責めが甘かったんですかね?」
「ど、どうして…栞の言われたとおり…やった…じゃないか…」
祐一は情けない顔で顔を伏せた。
「冗談ですよ」
「…し、しおりぃ…」
栞はそんな祐一に手を差し出す。
「ぅ…ん…?」
「さぁ、祐一さん。またお姉ちゃんと遊びましょう」
「………………」
肉欲と終わった後の罪悪感の落差に、祐一は躊躇していた。
震えたまま、じっと栞の顔を見上げている。
…まだ分かってないみたいですね…祐一さん?
栞はそう心で呟くと、ゆっくりと足を伸ばした。
「…ひぐぅ!?」
靴の先に触れたのは、祐一の股間だった。
そして、ズボン越しにその先をつま先で軽く捻る。
「や、止めてくれ…栞…」
「あれ?祐一さん…もう硬くなってるじゃないですか?」
「…い、言わないでくれ…」
「う〜ん、我慢は体に毒ですよ?」
栞は先ほどより強くつま先を動かした。
みるみるうちに祐一の男根はズボンを押し上げ、生地はパンパンに膨らんでいる。
「…わ、わかった…だから…やめ…やめてぇ…」
しかし、祐一は情けない声を上げながら、その場で絶頂に達した。
膨らんだズボンからは汚らしい汁が、じわじわと滲んでくる。
「うわぁ…男の人って足で弄ってもイっちゃうんですね…」
栞はわざとオーバーに驚いてみせた。
祐一の顔がみるみるうちに歪んでいく。
「さぁ、もう一度聞きますよ?お姉ちゃんと遊びませんか?」
栞は再び祐一に手を差し出した。
「………………」
今度はすぐに祐一もその手を取る。
「良くできました」
彼女は笑顔を彼に返した。
…くすっ、さぁ、お姉ちゃん…待ってて下さいね
そして、栞は祐一を連れると、ゆっくりと中庭を後にする。
まだ、太陽は一番高いところへ昇っていなかった。
「ただいま」
家に戻ると、栞は玄関を見渡す。
そこには家を出たときと変わらず、香里の靴が並んでいた。
「お姉ちゃんは籠もったまま…と」
そう言うと、彼女はゆっくりと階段を昇っていく。
祐一も無言でその後に続いた。
そして、二人は廊下の突き当たりまで歩くと、そこにあるドアの前で立ち止まる。
栞は静かにドアをノックした。
…トントン
だが、中からは何の返事もない。
「お姉ちゃん?居るんだよね?」
栞は優しく部屋の中に声をかけた。
…トントン
再びドアを叩く。
だが、やはり香里は無反応だった。
「やれやれ…いつまで拗ねてるのかなぁ…お姉ちゃん」
栞はそう言いながら、ポケットに手を入れると中から鍵を取り出す。
「じゃあ、こっちから行きますね」
彼女はその鍵で、部屋のドアを開けた。
…カチャ
そして、すぐに中へと入り込む。
「…う…そ…」
部屋の中では香里が信じられないと言った顔で栞を見ていた。
彼女は、ネグリジェ1枚でカーペットの上で蹲っていたのだ。
「なんだ、元気でしたね」
「いや…来ないで…」
香里は手近にあったクッションで体を隠すと、座ったまま部屋の隅へと移動していく。
その顔は昨日の恐怖を思い出し、すっかり青ざめていた。
「それだけ動ければ、今日もいっぱい遊べますね。お姉ちゃん」
栞は笑顔のまま、姉との距離を詰める。
「な、何言ってるの…、いい加減にバカな真似はよしなさい!」
香里は気丈に声を上げた。
空いていた手には本が握られ、今にも投げそうな勢いだった。
「う〜ん、素直じゃないですね」
栞は顎に指を当てると、祐一の方を見る。
「じゃあ、祐一さんまずはお姉ちゃんを捕まえて下さいね」
「…あぁ…」
彼女の声に反応すると、彼はすぐに香里に飛びかかった。
「いやぁ!!」
香里が投げた本をはね除け、祐一はすぐに彼女の両手を握る。
そして、後ろに回ると背後に密着したままベッドに押し倒した。
彼女は下着1枚を栞に晒しながら、反るような格好で足をバタつかせる。
「や、止めなさい相沢君!!し、栞も止めさせて!」
香里は必死に叫びながら、何とかこの状況を打開すべく抵抗を繰り返した。
しかし、その行為に、妹は意外な行動にでる。
「お姉ちゃん…うるさいよ」
栞はそういうと、香里の前に顔を寄せると右手を振り上げた。
…パシィ
激しい音が部屋中に響き渡る。
「…し、栞…」
妹に激しく頬を打たれ、香里は驚きの表情で栞を見た。
「…もう…お姉ちゃんは私のものなんだよ…?もし…これ以上騒ぐんだったら…昨日の写真、近所にばら撒くからね」
彼女は姉も祐一も見た事がない厳しい表情で、感情のない声を上げる。
「…………」
香里は何も答えなかった。
そして、抵抗をやめ、その場で肩を落とす。
「ようやく静かになりましたね。では、はじめますか」
栞はすぐにいつもの笑顔を浮かべると、背後から香里を押さえつけていた祐一のズボンに手をかけた。
「…し、栞…」
「いま、祐一さんのズボン脱がせてあげますからね。お姉ちゃんのこんな格好見て、我慢できないでしょう?」
「…うぅ…やめて…栞…」
香里と祐一はそれぞれ異質の困惑した顔を浮かべながら、栞の動きをじっと見ている。
彼女は、彼のズボンのベルトを緩めると、それをパンツごと下ろしはじめた。
「ひぃ…」
すると、既に隆々と勃起した男根が、香里の背中に跳ねるようにぶつかる。
先ほど射精した名残の精液を擦りつけながら。
「やっぱりビンビンですね…祐一さん」
嬉しそうにそれを見ながら栞は次に香里の前にしゃがんだ。
「も、もう止めて…栞…」
悲しい顔で嘆願する姉を余所に、栞はポケットから小さな塗り薬のようなものを取り出す。
「祐一さん…もう少し我慢していて下さいね?…まずは私がお姉ちゃんを楽しませてあげますから」
栞は笑顔でそう言うと、その薬の蓋を開け、中に入っていた半透明のクリームをたっぷりと指で掬った。
そして、姉のネグリジェをたくし上げると、赤のショーツにゆっくりと手をかける。
「わぁ、大胆なパンツですね、お姉ちゃん?」
「……………」
「でも、破いちゃいますよ?」
「…え…、あ、やめ…」
…ビリリッ
香里の声を聞き終える前に、栞は左手で強引にショーツを引き裂いていく。
そして、その中にある股間を晒け出させた。
秘部から流れ落ちた血や精液が固まり、汚らしく恥毛を固めている。
「…いやぁ…見ないで…お願い…」
よほど丹念に掃除したのだろうが、それでも流れ出ていた汚物に香里は頬を赤らめ目を塞いだ。
「気にしなくていいですよ?お姉ちゃん?私が綺麗にしてあげますからね」
栞は赤ん坊でもあやすかのように、たっぷりと指についたクリームをその秘口へと突き付ける。
「ひぃ…ぁ…」
「あ、お姉ちゃんのここ…とってもあったかいですよ?」
栞の華奢な指が、赤く充血している香里の秘部に触れた。
そして、彼女はそれを擦り込むように、丹念に伸ばしていく。
姉の秘部はみるみるうちにクリームで光りはじめた。
だが、栞はそれでも飽きたらず、再びクリームを掬うと今度は奥の方まで指を伸ばす。
「ぁ…ぁ…やめて…栞…」
香里は優しい指の動きに目が眩みそうだった。
昨日の苦痛とは打って変わっての甘い感触。
彼女は体を震わせながら、栞の責めに耐えている。
「だんだん、膨らんできましたよ?ここ?」
栞は秘部の上端にあった肉の突起に目を向けた。
そこは先ほどより充血し、次第に肥大している。
「ここは丁寧に塗り込みますね」
「いやぁ…、ひぁ…!!」
再びクリームを指先に満たした栞は、その突起をなぞるように擦りあげた。
同時に、香里の体に電流のような感覚が走る。
だが、栞は姉の戸惑いを気に留める事もなく、その肉芽にクリームを塗り込み続けた。
「…はぁ…はぁ…」
香里は自らが汗ばんできているのがわかった。
体はすっかり火照っている。
そして、妹の責めを受け入れるかのように、秘部から濁った体液を滴らせはじめた。
「あ、すごい…いっぱいお汁が出てますよ?」
「うぅ…栞…言わないで…」
香里は顔を手で覆いながら呟く。
恥ずかしさに、耳まで赤く染まっていた。
だが、栞の責めは終わる事がない。
時折、秘部全体に指を移動させながら、肉の突起を抓むようにクリームを塗り込んでいく。
そして、香里は得体の知れないものが湧き上がってくるのを感じた。
「うぅ…栞…もう止めて…このままじゃ…このままじゃ…」
彼女は嫌々をするように顔を振る。
「え?このままじゃどうなんですか?お姉ちゃん?」
栞はそれに意地悪く応えると、更に指の動きを早めると動きに幅を持たせた。
尿道や秘口の奥にまで、彼女の指が入り込んでくる。
「あぁぁ…ぁぁ…ぁ…」
香里は体験した事のない感触に腰を震わせた。
しかし、栞の指は休む事はない。
今も、親指と人差し指で肉芽を抓み、他の指で秘口を掻き回していた。
「あぁ…お姉ちゃんのここ…ベトベト…」
栞が指を回すたびに、香里の肉はネチョネチョと妖しい音を立てる。
愛液は止めどなく溢れ、太ももを糸のように流れていた。
そして、とうとう香里の体に初めて体験する快楽が流れる。
…びくっ…
「はぁぁ…ぁ…ぁ………ぁ…」
彼女は糸が切れたように体を祐一に預けた。
そして、口の端から涎を垂らしながら、甘い息を漏らす。
「こ、これって…やっぱりイっちゃった…んですか」
栞は姉の反応を見ながら、それでも秘部を捏ねくり回していた。
今もなお、愛液はドロドロと秘部から流れ落ちている。
…うふっ…お姉ちゃん…これで私に懐いてくれるといいな…
栞は濡れた指を舌で舐めると、ゆっくりと立ち上がった。
そして、目の前で精魂尽きたように倒れている姉を見下ろす。
「さて…今度は祐一さんの番ですよ」
すっかり待ちかねていた祐一に、栞は優しく声をかけた。
「はぁ…はぁ…、み、みさかぁ…」
「あぁ…ぁ…ぁぁ…」
彼はすぐに香里をベッドに押し倒す。
…これからが楽しみだな…
…お姉ちゃん…
栞は椅子に腰掛けると、痴態を繰り広げようとしている二人に優しい眼差しを向けた。
つづく