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■ささやかな願い■

 
(第6話)
 

                           

…もう少しだね…

…頑張って…栞…






 香里の部屋には妖しい肉の音が響いていた。

 ベッドの上では、その部屋の主が背後から祐一に貫かれている。

「うぅ…い、痛いぃ…」

 香里は先ほどとは打って変わって、秘部に指とは比べものにならないほど太い男根を埋められながら、
押し殺したような声を上げていた。

 しかし、昨日のような苦痛一辺倒といった様子はなかった。

 むしろ、湧き上がる快感と秘部の痛みに複雑な感情を抱いているように見える。

 もちろん、不条理な現実を受け止めてはいなかったが。

 そんな彼女を祐一は昨日よりも荒々しく犯していた。

 男根が完全に見えてしまう程に香里の中から抜き出し、再び突き入れる。

 肉が出入りするたびに、飛沫のように彼女の愛液がシーツを汚していた。

 そして香里の尻は、何度も祐一の腹がぶつかり、すっかり赤くなっている。

…じゅぷ…じゅる…

 そうこうしているうちに、祐一は激しく腰を振りながら絶頂へと駆け上がっていく。

「…ぁぁ…美坂ぁ…そろそろ出すぞぉ…!!」

 彼は渾身の力を振り絞るように叫んだ。

 だが、その時、栞は咄嗟に声を上げる。

「待って!出したら承知しませんよ?」

「うぅ…?…栞??」

 祐一はお預けを食った子供のように、だらしない顔で栞を見た。

 彼女はすぐに二人の前に駆け寄ると、自らのポケットをまさぐる。

「祐一さんにいいもの付けてあげますね」

 そう言いながら栞が取り出したのは赤く長い生地だった。

「これはですね、お姉ちゃんが私にストールを贈ってくれたときに、包装紙を結んでいたリボンなんですよ」

 誇らしげに彼女は笑う。

 そして、それを香里の秘部から顔を出していた男根の根元に巻き付けた。

「…栞…?」

 祐一は戸惑いながら栞を見ている。

「すぐに終わりますからね」

「…ぅ…」

 がっちりとリボンが結ばれ、彼は痛々しく息を漏らした。

 男根の根元にはまるで贈り物のようにリボンが巻かれている。

「…こ、これじゃあ…」

 祐一はそれを見ながら情けない声を上げた。

 しかし、栞はそれに対し優しく応える。

「やっぱり、イけないんですよね?」

「あぁ…」

「良かった、勉強した甲斐がありました」

「し、栞…」

「あ、今…変な事想像しませんでした?…そんな事考える人は嫌いですよ?…でも安心して下さい。
お姉ちゃんを3回イかせたら解いてあげますから」

「………………」

 祐一は何とも言いようのない表情で押し黙った。

 香里も不安げな顔で栞を見ている。

「お姉ちゃんも祐一さんもエッチだから大丈夫ですよ、さぁ…続きをどうぞ」

 栞はそう言うと、再び椅子に座った。

「うぅ…」

 祐一は射精を禁じられ少しだけ肩を落としたが、再び香里の中へと男根を埋める。

「うぁぁ…ぁ…やぁ…やぁ…」

 香里は涙と涎を垂らしながら拒絶したが、彼に尻を抱えられ動く事は出来なかった。

 再び、部屋中を肉の音が包みはじめる。

 どんなに突き立てても、肉を味わっても決して射精出来ない祐一。

 彼は寸止めの状況に、狂いそうになりながら香里の肉を抉り続ける。

「うぅぅ…痛い…痛いのぉ…」

 香里は涙を流しながら声を絞り出したが、愛液はどんどん溢れ出ていた。

 しかも、再び絶頂へと体が進んでいく。

 彼女は困惑していた。

 だが、決して休む事のない祐一の責めに、考える時間すら与えられる事はない。

 香里はシーツをきつく握りながら、避けようのない未来に恐怖していた。

 そして、程なく香里の体は一気に絶頂へと駆け上がっていく。

「ふぁぁ…ぁ…いやぁ…いや…ぁ…ぁ…………ぁ…」

 不意に湧き起こったそれは、覚悟する間もなく香里の全身に流れた。

 急激に体の力が抜けていくのが分かる。

「はぁ…はぁ…イかせたぜぇ…」

 それを祐一は勝ち誇った顔で見ていた。

「良くできました。あと2回ですよ?祐一さん?」

 栞は拍手しながら、更なる行為を促す。

 祐一も言われるまでもなく、香里にのし掛かった。

 今度は彼女を上にすると、彼は下から腰を突き上げる。

「あぁ…ん、あ、あいざわくん…ちょっと待って…ぇ…」

 香里はまだ呆けたような顔で声を上げた。

 しかし、祐一は聞く耳など持つ事はない。

「…は、早く美坂の中に出してぇんだよ…、またイかせてやるぜ…このメス豚が!」

 彼は吐き捨てるようにそう叫ぶと、彼女の?腰を掴み、子宮を突き上げ続けた。

 お互いの性器は限界まで密着し、まるで香里の股間にリボンが付いているかのようだった。

 そして、そのリボンはすっかり彼女の愛液で濡れている。

…ぐちゅ…じゅぼ…

「あぁ…ぁ…」

 香里の息は次第に甘くなっていった。

 しかも、犯されているという感覚すら希薄になっていく。

 そして、すぐに祐一の男根を体いっぱいで感じながら、香里は更なる絶頂へと駆け上っていった。

 あまりの間隔の短さに、たまらず彼女は口を開く。

「あぁ…ダメ…っ…ダメなの!!」

 香里のその叫びは自分に向けられたものだった。

 むりやり処女を奪われ苦痛と屈辱に泣き叫んでいたのに、今ではすっかりそれを甘受している。

 そればかりか気を抜けば、それを自ら求めかねない勢いだった。

 彼女は精一杯の抵抗を試みるべく後ろに仰け反ろうとしたが、逆にそれが一気に絶頂への階段を加速させる。

「ふぁぁ…ぁ…ぁ…ひやぁ…ぁぁ…」

 頭の中が全て真っ白になった感覚だった。

 香里はゼンマイが切れた玩具のように、反り返ったままの体勢で止まる。

「へへ、またイかせたぜぇ…あと1回…さっさとやるぞ」

 祐一はそんな香里の尻をさすると、今度は彼女を押し倒した。

「あぁ…ぁ…」

 香里はそれを言葉にならない声で受け止める。

 決して屈服はしていない。

 だが、体はすっかり祐一に馴染んでいた。

 心では嫌悪を抱いても、体は彼の男根に擦り寄っていく。

 香里はおぞましい現実に涙を流しながら、為すがままに祐一を受け入れる。

「さぁ、すぐにイかせてやるからな…」

「…うぅ…いや…」

「じゃあ、何で2回もイったんだよ?俺のチンポが気持ちよかったんだろ?」

「……ぅぅ…」

 彼女は反論できなかった。

 体だけでなく現実までもが、香里の体を茨のロープで拘束していく。

 そして、祐一は彼女の乳房に貪りつくと、這うように腰を動かしはじめた。

 昨日と同じ格好。

 しかし、香里が受ける感触はまるで別物である。

 乳房をしゃぶられる感覚は昨日より甘く、そして、秘部を突き上げる男根がもたらすのは快感だけだった。

 彼女はそのギャップに戸惑いながら、祐一に抱かれ続ける。

「…はぁ…ぁ…ぁ…」

「あぁ…美坂…はやく…イっちまえ…」

 二人は合意の元に交わっているとしか思えなかった。

 男は甘く秘部を抉り、女は戸惑いながらもそれを受け入れる。

…くちゅ…くちょ…

 愛液は埋まる男根を優しく包み、卑猥な音を醸し出していた。

 そして、立て続けに2回も絶頂に達したというのに、香里の内からは既に止めどない快楽が湧き起こっている。

「…はぁ…ぁ…ぁ…はぁ…」

 彼女は今にも、ある言葉が口走りそうになるのを必死に抑えながら、祐一の全てを受け入れていた。

「…ん?どうした美坂?俺のチンポたまらないか?」

「…うぅ…ぁ…ぁ…」

 香里は乳房を吸われ子宮を突き上げられると、壊れそうな顔で息を漏らす。

 しかもその動きは先ほどよりねちっこくなり、彼女の体は限界まで火照っていた。

「…うぅ…もう…ダメぇ…」

 香里は必死に湧き上がる言葉を抑えながら目を閉じる。

「へへ、何がダメなんだ?」

「…ぅぅ…だ、ダメ…ぇ…わ、わたし…」

 しかし、祐一に促され、その我慢も限界だった。

 再び肉を抉るように、祐一の男根が根元まで香里の中に埋まる。

「…わ、わたし…イっちゃう…!!!」

 そして、その矢先、香里は言ってはならない言葉を口にした。

 その瞬間、再び目が眩むような快感が体を走り抜ける。

 しかも、彼女の股間からは絶頂を示すかのように、小便が溢れはじめた。

…びちゃぁ…しゅあぁぁ…ぁぁ…

「うわ、汚ぇ!こいつションベン漏らしやがった」

「あはっ、お姉ちゃんすご〜い」

 二人からは罵声や笑い声が飛んだが、今の香里には関係なかった。

 ただ浮いているような快感に完全に身を委ねている。

 そして、自分という存在が、もう今までの自分ではないという事を悟った。

 いつしか、ベッドから湯気が立つほどに小便は垂れ流されている。

 だが、それを恥じる事もせず、彼女はただ天井を見ていた。

「へへへ、美坂ぁ…」

 しかし、それは薄笑いを浮かべた祐一によって遮断される。

「………………」

「ようやく、栞からリボン取ってもらったからよぉ…」

 彼は真っ赤に腫れた亀頭の先から糸のように粘液を垂れ流しながら、香里の腹?の上に載った。

 そして、彼女の乳房を掴むと、その間に男根を滑る込ませる。

 香里は抵抗する事はなかった。

 ただ、虚ろな瞳で祐一の行為を見ている。

「へへ、たっぷり出してやるからなぁ…」

 彼は乳房で男根を挟むと、息を荒くしながら腰を揺すった。

 真っ赤な男根が香里の白い肌を蹂躙していく。

…ちゃぷ…ちゅぷ…

 彼女の汗と、祐一の粘液が混ざり合い乳房は妖しい音を響かせていた。

「あぁ…美坂…オッパイも気持いい…」

 すっかり形が変わるほど乳房を掴まれ、それを潜るように青筋を立てた男根が出入りしている。

 しかし香里には嫌悪感はなかった。

 そればかりか、擦りつけられる男根の感触や、鷲づかみにされる乳房が心地よかった。

 そして、次第にそれを見つめる表情が崩れていく。

「…あぁ…ぁ…」

「はぁはぁ…どうした美坂…?」

「なんか…気持ちいい…」

「へへ、そうだろ?やっと分かってきたか…」

「すごいお姉ちゃん」

 まるで祝福されているような感覚だった。

 香里はすっかり蕩けた顔で祐一を見上げると甘い声を出す。

「はぁ…ぁ…出してぇ…私のおっぱいで…」

「あぁ…すぐにぶっかけてやるよ」

 彼は腰を激しく揺すりながら、何度も何度も乳房で男根を扱いた。

 それにより、すっかり乳房は赤くなっていたが、今の彼女にはどうでもいい事である。

 そして、祐一は短く息を漏らすと香里の乳房で果てた。

…ぶぴゅ…どぴゅ…

 激しい勢いで精液が彼女の顔に飛ぶ。

 それは何度も射精を繰り返し、香里の顔に向かい降り注いだ。

 髪にも糸のように引っかかり、だらしなく垂れ落ちている。

 瞼にも、鼻にも、顎にも生暖かい精液はこびり付いていた。

「…あぁ…出てる…相沢君の精液…」

 香里はそれを感じながら嬉しそうに声を上げる。

 そして、舌を伸ばすと、まだ温もりのある白い汁を汚らしく舐め取った。

「凄い、お姉ちゃんすっかり祐一さんの虜だね」

 栞も身を乗り出し、その光景を眺めている。

 同時に何とも言えない満足感が彼女を包んだ。






 栞はそんな姉を見ながら心の中で呟く。

…いい気味だよ…お姉ちゃん…

…でも、まだまだ許してあげないからね…


 こうして、留まる事を知らない栞の願いは次の標的を模索しはじめた。

 最後の力を振り絞るように。
 





つづく