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■ささやかな願い■

 
(第7話)
 

                           

…今日は…ちょっとダメそう…

でも…もうお姉ちゃんも祐一さんも…大丈夫だよね…


…明日は…二人に…いっぱい頑張ってもらわないとね…

…あぁ…楽しみだな…







 その日は激しく雪が舞い散る日だった。

 朝から降りはじめたボタ雪は、止む事無く延々と地上を白く染めている。

 だが、それとは関係なく人々の生活は続いていた。

 もちろん、彼女たちも例外ではない。

 しかし、学校での祐一と香里は、既に人としての営みを逸脱していた。

 校舎の中は授業中のため、不気味なほどに静まりかえっている。

 大勢の生徒がこの空間にいるというのに、廊下には誰の姿もない。

 もちろん、それは当然の事だった。

 今の二人を除いては。











…くぷ…くちゅ…

 屋上へ続く階段の踊り場でそれは行われていた。

 壁に寄りかかる祐一の股間を、香里が一心不乱で咥えている。

「あぁ…美坂…もっと根元までしゃぶってくれぇ…」

…ちゅぷ…ごぷぅ…

 すると、彼女は言われたとおりに彼の男根を根元まで咥えた。

 そして、そのまま舌でねっとりと男根の隅々を舐る。

 粘液と唾液が混ざり合うと、泡を立て唇と男根の隙間から漏れていた。

「ふごぉ…くぷっ…」

 香里は男根をしゃぶると同時に、自らの秘部を弄ぐっている。

 しゃがみながら奉仕していたため、剥き出しの秘部とそこから流れる愛液は祐一にもはっきりと捉える事が出来た。

 既に、踊り場の床は、垂れ落ちた愛液でベトベトになっている。

 香里はいったん祐一の男根から口を離すと、今度は手で扱きはじめた。

 そして、悩ましそうな顔で口を開く。

「ねぇ…早くイってくれないかしら…、次は私のオマンコを抉って貰うんだから…」

「あぁ…わかってるけど、毎時間出してると…出が悪くなるんだよ…」

「そうかしら?さっきは私のオッパイですぐに出したじゃない?」

「うぅ、あれは美坂のパイズリが気持ちよすぎたんだよ…」

「…とにかく…少なくともこの時間で2回はイかせてね…相沢君?」

「あぁ…」

 押し殺した声で二人は卑猥な会話をしていた。

 もちろん、その間も香里は祐一の男根をいやらしい手つきで扱き、自らの秘部を休みなく弄っている。

 そして、再び彼女は祐一の男根を頬張った。

 汚いものという感覚は今の香里にはない。

 あるのは、それが自らを快感に導くものであるといった認識だけだった。

 彼女は緩急を付けながら、ひたすら男根を舐め上げていく。

「あぁ、出るぅ…」

 祐一も、その動きに耐えかね情けない声を上げた。

 そして、今日何度目かわからぬ精液を香里の口の中に放出する。

…びゅるる…びゅく…

「ふぁぁ…ふぇた(出た)わ…ね」

…じゅる…ごきゅっ…

 香里は喉を鳴らし、それを飲み干すと更に男根を吸い上げた。

 尿道に溜まった名残が口の中に流れ込む。

 彼女はそれをも飲み干すと、すぐに立ち上がった。

「さぁ、お願いね…相沢君」

 香里は制服をたくし上げると、その美麗な尻を彼に晒す。

 すでに愛液は膝まで流れていた。

 香里は階段の手すりに肘をかけると、自らの指で秘部を開いてみせる。

「どう?私のオマンコ?綺麗でしょ?」

 彼女は妖しく笑った。

 とても数日前まで処女とは思えない乱れようである。

「あぁ…すげぇ綺麗だよ」

 祐一の男根は再び反り返っていた。

 そして、容赦なく香里の秘部へと入っていく。

…ぐちゅ…

 奥まで達するのに彼女の肉は何の抵抗も示さなかった。

 まるで吸い込まれるように、男根は根元まで香里の中に入っていく。

「はぁ…ぁ…相沢君のチンポ…いい…」

 香里は声を押し殺しながらも、呆けたような声を上げる。

 体には歓喜の波が激しく押し寄せていた。

 祐一も自らの欲望を満たすべく、香里の尻に腰を密着させる。

 二人は重なるように動き続けた。

 そして、あっという間に彼女は望んだ快楽を手に入れる。

「ふぁぁぁ…もう…イっちゃうぅ…」

 香里は祐一に尻を抱えられながら、絶頂に達し腰を震わせた。

 再び大量の愛液が漏れはじめ、既に足先まで流れている。

「はぁ…ぁ…あと1回だよ相沢君…早くしないと…授業終わっちゃうよ」

 快楽を消化するかしないかのうちに、香里は更に祐一を求めた。

「あぁ…」

「はぁぁ…チンポが奥まで…当たってるぅ…」

 誰かが階下にいれば聞こえてしまうような声を彼女は漏らしはじめる。

 秘部から湧き上がる蜜は、ねっとりと祐一の男根を濡らしていた。

 そして、二人が動くたびにネチョネチョと妖しい音を立てる。

「あぁ、俺もまた出ちまいそうだ…」

「いいよ…いっぱい出しても…」

「あぁ、言われなくてもそうするさ」

 祐一は制服の上から香里の乳房を掴むと、激しく腰を揺すった。

 止めどない快感が二人にこみ上げてくる。

「はぁぁ…また…またイっちゃうぅ…」

「よしっ、出すぞ!」

「きてぇ…ぇ…ぁぁ……ぁ…」

…びゅくく…びゅる…

 二人は同時に快楽の限界を手に入れた。

 そして、重なったままその場に倒れ込む。

 膣には今日3度目の精液が注ぎ込まれ、香里の心と身体を満たしていた。

「あぁ…相沢君…よかった…」

「俺もだよ…美坂」

 二人は無意識のうちに唇を重ねている。

 すぐにどちらともなく舌を差し出し、相手の舌と絡ませた。

…ちゃぷ…くちゅ…

 下半身でもお互いの温もりを感じながら。


 それは、授業の終わりを示す予鈴が鳴り響くまで続いた。







 教室に戻ると名雪が心配そうな顔で二人を出迎える。

「んも〜、何処行ってたの?探しちゃったよ…」

「ごめんね名雪」

「ちょっと…な」

 何事もなかったように祐一と香里は彼女に応えた。

 だが、それでも名雪は食ってかかる。

「う〜、ちょっとって…何?二人とも何か変だよ…」

「気にするな、名雪よりはマシだ」

「それって…酷い」

「まぁまぁ、私たち今度のテスト勉強を図書室でしてただけよ。ね、相沢君?」

「あぁ、そうだぞ香里先生の講義は授業を聴くよりためになるからな」

「う〜、私も誘ってくれればよかったのにぃ」

 しかし、香里の見事な機転で、少し不満そうな雰囲気を残しながらも名雪の詮索からは逃れる事が出来た。

 だが、二人はその後も隙を見ては教室を抜け出し、学校のあちこちで痴態を演じる。

 更衣室、男子便所、美術室…ありとあらゆる場所で二人は体を重ねた。

「なっ、いいだろ?」

「う…うん…、でも裂けちゃわないかな…」

 そして、授業が終わると二人は先日初めて結ばれた音楽準備室に来ていた。

 香里は机の上に寝ると、両足を大きく広げ、祐一に全てを晒している。

 常に愛液を垂れ流す秘部と、その下で小さく窄んでいる肛門。

 彼は、その排泄する穴に男根を突き入れたいと要望していたのだ。

 香里もまんざらではなかった。

 だが、少しだけ不安が彼女を包んでいる。

「大丈夫だって」

 祐一はそう言うと、指を肛門の中へとねじ込みはじめた。

「あぁ…やぁ…汚いわよ…っ…」

 香里はその意外な行動に目を丸くする。

 だが、決して違和感はなかった。

 そればかりか未知の快感に驚きの色を隠せない。

「…ぁぁ…やっぱり入れて…」

 香里は自らの太ももを手首で持ち上げると、祐一が入れやすい位置まで肛門を持ち上げた。

 若干の恥毛が回りに生えているそこは、愛液によってすっかりふやけている。

「じゃあ、遠慮なくいただくぜ」

「うん…」

…くちゃ…

「あぁ…ぁぁ…」

 肛門を押し広げながら、祐一の男根が入ってくるのがわかった。

 やはり指と違い、それは苦痛を伴うものだった。

 しかし、それを上回る快感が香里を包んでいく。

「はぁぁぁぁ…お尻…いい…」

 彼女は独り言のようにそう呟くと、甘い顔で笑った。

「あぁ…きつくて…すごい…」

 祐一もその魅惑に取り憑かれたように、奥へ奥へと男根をねじ込み続ける。

 この日、男根は何度射精したかわからなかったが、少しも衰えを見せることなく香里の肛門を犯していた。

…ぐぽぉ…じゅぷ…

 すぐに流れ落ちた愛液と溢れ出た腸液が、卑猥な音を奏ではじめる。

「あぁ…もっと…もっと奥までぇ…」

「あぁ…いっぱい抉ってやるぜ」

 二人は初めて体験する快感に我を忘れ交わり続けた。

 しかし、すぐに二人は限界を迎える。

「はぁはぁ…ぁ…イっちゃう…相沢君のチンポ…いい…の…」

「俺もだ…出るっ…」

…びゅるる…る…

 香里の腸内へと祐一の精液がぶちまけられた。

 彼女はそれを小刻みに腰を震わせながら受け止めている。

 肛門はだらしなく広がり、隙間から逆流した汚液がドロドロと机に流れた。

「…あぁ…お尻…良かったわ…」

「そうだな…これで…美坂の体は全部俺のものだ…」

「…うん…そうね…」

 二人は再び唇を重ねる。

 再び快楽を貪るための準備のように。







 しかし、二人はすぐに自分たちが大きな勘違いをしていたと言う事を思い知らされる事になる。

 香里と祐一が学校を出た時、既に日は暮れていた。

 朝から降り続いた雪はようやく止み、空には雲の切れ間から月が覗いている。

 人通りの少ない路地は雪に覆われ、二人はそれを踏みしめながら帰路を急いだ。

 そして、例外なく香里の家も玄関はすっかり雪で埋まっている。

「とりあえず、雪かかないとな」

 祐一は玄関の横に立てかけてある柄の長いシャベルを持つと、道路から庭へ続く道を作るため雪をかきはじめた。

 だが、その背後では香里が呆然と家を見上げている。

「…ん?どうした…美坂?」

「栞…、家から出てないわよね…」

「…………」

 その言葉を聞いて、祐一の顔が青ざめた。

 そう、栞は毎日のように学校へ来ている。

 だが、今日は彼女の姿を見かける事はなかった。

 いや、もしかしたら来ていたのかも知れない。

 しかし、祐一と香里はお互いの体を求める事に夢中で、その確認をしていなかった。

「ま、まさか…」

 祐一は猛然と雪をかくと、一気に入り口までの道を作る。

 すぐに香里はその後を伝い、玄関の鍵を開けると家の中に滑り込んだ。

「…し、栞…!?」

 二人はほぼ同時に同じ名前を口にする。





「…おかえりなさい、お二人さん」


 だが、階段の上からは栞が二人を笑顔で出迎えた。

「よかった…」

「あぁ…そうだな」

 二人は胸を撫で下ろす。

「あらあら…お姉ちゃんも祐一さんも…その様子だと学校では私の事を忘れてたみたいですねぇ」

 栞は笑顔のままだったが、声は決してそうではなかった。

「し、栞…そ、そんな事ないわよ」

「そうだぞ、学校にいないから急いで帰ってきたんだ…」

 二人は咄嗟に言い訳を取り繕う。

 しかし、それは名雪には通じても栞には通用しない。

「お姉ちゃんは相変わらず嘘が下手ですね。いつもより声のトーンが高いですよ」

「祐一さんも、言うならもっとしっかりした嘘をつきましょうね。今、何時でしょう?」

「………………」

 栞の問いに、二人は反論する余地はなかった。

「二人とも…誰が一番偉いのかを忘れてるみたいですね。早く上がってきて下さいよ?今、それを教えてあげますね」

 終始、彼女は笑顔を絶やさずに話し続ける。

 だが、祐一も香里もその得体の知れない威圧感に体を震わせた。

 それでも、言われたとおり階段を昇っていく。

「じゃあ、二人とも手を後ろに組んで下さいね」

 栞の部屋に入ると、すぐに二人はそう命じられた。

「な、何をするの…?」

「言われたとおりにすればいいんですよ?お姉ちゃん」

「うぅ…わかったわ…」

 そして、二人は言われるがままに手を後ろに組む。

 すると、栞はゆっくりと後ろに回ると、その手をロープで縛り上げはじめた。

「し、栞…!?」

「別に怖い事はしませんから動かないで下さいね?祐一さん」

「あぁ…」

 彼女は手際よく祐一の手をロープで縛ると、すぐに香里の手をも同様に縛る。

「さて…まずは我慢比べでもしましょうか」

 栞は嬉しそうにそう言うと、自らのスカートのポケットを漁りはじめた。

 すぐに、取り出されたものを見て二人は愕然とする。

 それは毒々しい色をしたバイブレーターだった。

 一つは男根の形を模した女性用。

 もう一つは女性器の形を模した男性用だった。

「し、栞…そんなもの…どこで手に入れたの…」

 香里は頬を赤らめながら口を開く。

「これはですね、病院で手に入れちゃいました。こっちは看護婦さんが使ってたもので、こっちは患者のおじさんが
使ってたものですよ」

「あ、もちろんちゃんと許可とって貰ったんで大丈夫ですよ?それに二人に使って貰うので、きちんと洗いましたから」

 栞は聞かれてもいない事まで丁寧に答えた。

 そして、それを二人に取り付けるべく、ゆっくりと歩を進める。

「お姉ちゃんはもう濡れちゃってますからすぐに入れられますね」

 妹は楽しそうに姉の制服を捲ると、剥き出しになっていた秘部にバイブレータをねじ込んだ。

…じゅぽ…

 妖しい肉の音を立てながら、それは一気に根元まで香里の股間へと埋まっていく。

「…ひぃ…ぅ…」

 愛液を滴らせながら彼女は足を震わせると、その場に倒れ込みそうになった。

「あ、ダメですよ動いちゃ?」

 だが、栞に諭され、香里は足を開いたまま堪える。

「お姉ちゃん偉い偉い」

 彼女は笑顔で姉に声をかけると、今度は祐一の前に立ちズボンを下ろした。

 半勃ちの男根がパンツの奥から姿を見せる。

「これは…よく濡らさないと入りませんよねぇ…」

 栞はそう言うと、再びポケットに手を入れ今度はベビーローションを取り出した。

「な…何でも入ってるな…やっぱり…」

 祐一の呟きを流して、彼女は女性器を模した部分にローションを流し込む。

 そして、十分に入り口を濡らすと、それを男根に被せた。

 すぐに本物とは違う独特な感触が祐一の男根を包む。

「…ぅぅ…」

「あはは、祐一さん…感じてますね」

 こうして二人はバイブレータを身に付けた格好で栞を眺めた。

「…ぅう…一体…どうするつもりなの…?」

 香里が頬を赤らめながら妹に問い掛ける。

「え〜と、簡単に言えば罰ゲームでしょうか?」

「………………」

「お姉ちゃんも祐一さんも…誰のお陰で楽しい思いをしてるかわかっていないようですからね」

 栞の表情はいつものままだった。

 だが、声だけがやけに冷たく二人に吹きかかる。

 祐一も香里も押し黙ったまま、栞の方をただ見るしかない。

「ですから、二人にはたっぷりと反省してもらいますからね」

 そう言うと、栞は手に持っていたバイブレータのつまみをゆっくりと回した。

 それはコードを伝い本体へとその結果を伝達していく。

…ブブッ…

 二人の身体に微弱な振動が走った。

 同時に、それは身体と心を蝕むように快感を与えていく。

「はぁぁ…ぁ…」

「くっ…ぅ…」

 二人はじわりと汗を滴らせると、その感覚に呼応したように身体を震わせた。

 しかし、栞はバイブレータのメモリを最低にセットすると、二人を制する。

「あ、イったら負けですよ?それに…もし、すぐにイっちゃったらこれを窓からばら撒きますからね?」

「………!?」

「まさか…」

 二人は栞が取り出した写真を見て愕然とした。

 それは紛れもなく今日、学校で二人が演じた痴態に他ならない。

 廊下と思える場所で、涎を垂らしながら抱き合う二人。

 顔も結合部も余すところ無く撮影されている。

「い、何時の間に…」

 香里は目を丸くしながら呟いた。

「あれ?やっぱり気づいていなかったんですね…。目の前まで行ってきちんと撮らせてもらいましたよ?あ、もちろん
フラッシュは切ってましたけど。先生に見つかると面倒ですからね」

 栞は穏やかにそれに応える。

 二人は信じられないと言った顔を見合わせるしかなかった。

 そして、じわじわと下半身から湧き起こる快感に恐怖する。

 しかし、栞はそんな二人を余所に話を進めた。

 更なる計画を。

「あ、それからですね。勝った方には特別プレゼントを差し上げます」

「……………?」 

「名雪さんを最初に犯せる権利ですよ」

 彼女は何の躊躇いも無く一人の少女の名を口にしていた。

 そのため、祐一も香里もその名前を聞いてもすぐには驚かなかった。

 だが、それが誰であるかを認識した瞬間、二人は愕然とする。

「…………………」

 言いようのない戸惑いと絶望感が身体を走った。

 だが、それは一瞬のもので、すぐに二つの感情が二人を包みはじめる。

 それは、好奇心と欲望に他ならなかった。

 もちろん、二人はそれを必死で打ち消そうとする。

 しかし、延々と続く身体を溶かすような感覚に、それは叶わぬ事だった。

 そればかりか、その邪心に二人はじわじわと取り込まれていくのだ。







「…はぁ…はぁ…」

「…うぅ…ぅ…」

 バイブレータを装着されてから、数分が経過していた。

 祐一も香里もすっかり欲望に取り憑かれたように、身体を包む快楽に甘い息を漏らしている。

 気を緩めればすぐにでも絶頂を迎えられそうだった。

 だが、二人は自分自身を否定するような権利を得る為に、必死に耐え続けている。

 大事な存在を壊す…という欲望の為に。

 それを栞は嬉しそうに見ている。

…すごいよ…お姉ちゃんも…祐一さんも…もっと気持ちよくなりたいんだね…

…こんな人たちを支えに…私は生きてきたんだ…

…笑っちゃうよね…

 そして、彼女は笑顔のままバイブレータのつまみを捻った。

 すぐにバイブレータの振動は先ほどよりも強く二人を襲う。

「…はぁ…ぁ…し、栞…!つ、強くしちゃ…だ、ダメぇ…」

「し、栞…ぃ…ま、待ってくれぇ…」

 二人はすっかり崩れた表情で栞に声をかけた。

…あはは、だらしない顔…

…誰が止めるもんですか…

 彼女は続けてつまみを力いっぱい捻っていく。

 無機質な機械音が部屋に響いた。

 同時に、二人は奇妙な格好をしながら、その振動を必死に耐えている。

 だが、もし手が使えれば、すぐにでもそれ以上の動きを得るべく股間を弄っただろう。

「はぁぁぁ…ぁぁ…イっちゃぅぅう!!」

「だ、ダメだぁ…で、出るぅぅ…」

 既に二人は限界だった。

 声のトーンは完全にずれ、涎と歓喜の涙を零しながら肉を震わせる。

…うふふっ、最高…最高ですよ…

 栞も顔を上気させながら、その光景を魅入っていた。

 身も蓋もなく悶える姉と自分にとって大事な存在になりかけた男。

「イっちゃいなさいよ!!この豚たち!!」

 もう回る事のないバイブレータのつまみを動かしながら、彼女は狂ったように声を張り上げる。

 だが、その瞬間、栞自身も体験した事のない高揚感に満たされていた。

 そして、その目の前で二人は相次いで絶頂を迎える。

「はぁはぁあっぁぁぁぁぁぁぁ…………」

「ふぁぁ…ぁぁぁぁぁ…ぁ…」

 目の前で香里が腰を崩し、祐一が激しく汚液を噴き出していた。

「はぁ…はぁ…はぁ…」

 それを栞はただじっと見ている。

…私も…イっちゃったのかな…

…こんなの…はじめて…

 彼女自身も言いしれぬ満足感を手に入れ、ショーツの中は奇妙に濡れていた。





…これから…名雪さんも大喜びだね…

 栞は次の展開に思いを馳せながら、二人のだらしない顔を見下し続けた。
 





つづく