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■ささやかな願い■

 
(第8話)
 

                           

…もうすぐこの部屋には誰もいなくなる…

…でも…みんな…


…覚えていてくれるよね…







 翌朝、栞は母親が仕事に出たのを見計らい、自らも外へと足を踏み出した。

 夜半に降った雪がうっすらと地上を染め、それが幾重にも連なる足跡で踏み固められている。

 彼女はそんな凸凹した道を踏みしめながら歩くと、ゆっくりと目的の場所へ向かった。

 今日の行く先は学校ではない。

 栞は殆ど見覚えのない景色を眺めながら、確実にその場所へと近づいていく。

 そして、程なく彼女は閑静な住宅街に辿り着いた。

…このあたりですね…

 栞はあたりの家を見回すと、各々の家に掲げられていた表札に目を凝らす。

「…ありましたね…」

 すぐに目的の名前は見つかった。

 彼女は「水瀬」と書かれた家の門をくぐると、玄関まで足を運ぶ。

 そして、その家のインターホンを鳴らした。

…やっぱり居ませんね

 家は静けさに包まれている。

 栞はそれを確認すると、ポケットから鍵を取り出した。

 そう、それは昨夜、祐一から受け取ったこの家の鍵だった。

 彼女はゆっくりとそれを鍵穴に差し込む。

 そして、静かに鍵を左に捻った。

…カチャ…

 鍵が開いたのを示すように、無機質な金属音と手応えが伝わってくる。

 こうして、栞は初めて訪れた家の敷居を跨いだ。

 自分の家とは違う匂いが彼女を出迎えているようだった。

…もしかしたら…こういう形じゃなく…ここに来る事ってあったのかな

 栞はそんな事を考えながら鍵を閉めると靴を脱ぐ。

 靴は祐一に言われたとおり下駄箱の中に隠した。

 そして、栞は家の奥へと進んでいく。

 もちろん、誰と出会う事もない。

 栞はその時を待つべく、静かに階段を昇った。

 少しだけ疲労感が彼女を包んでいる。

 だが、栞はそれを堪えると、二階の端にあった部屋に向かった。

 そこは祐一の部屋である。

「お邪魔しますね」

 栞は誰も居ない空間に向け呟くと、ドアを開けた。

 そして、初めて見る祐一の部屋を見渡す。

…ここで祐一さんは過ごしてるんですね…

…でも…今は…生きた心地なんてしてないかもしれないけど…

 栞はそんな事を思いながら、フローリングの床に腰を下ろした。

…まだまだ時間はありますね…

 彼女は、机に置いてあった時計を見上げると、そのままベッドに背中をもたげた。

 そして、静かに目を閉じる。

 来るべき時まで火を消さぬように。









 時間はゆっくりと確実に流れていった。

 太陽はいつしか西に傾き、風は次第に冷たさを増していく。

 学校でも授業が終わり、大勢の生徒が帰路を急いでいた。

 そんな中、三人の男女たちも、その例外に漏れず外に出る。

「今日も寒いな」

「雪降りそうだもんね」

「…早く帰りましょう」

「うん」

 祐一と香里、そして名雪の三人は、吹き抜ける風に肩を竦めると校舎を後にした。

「いっぱい香里に教えてもらわないとね、祐一?」

「あぁ…そうだな」

 名雪は楽しそうに祐一に語りかける。

 彼女だけが、この先に何が待ち構えているのかを知らない。

 彼も香里も、精一杯、平静を装いながら名雪の声に相づちを打った。

 だが、その心は、複雑な思いに今も揺れている。

 しかし、この計画を止める事は出来なかった。

 やがて、三人は慣れ親しんだ風景を抜け、水瀬家へと辿り着く。

「着いたお〜」

「言わなくたってわかるぞ、名雪」

「だってぇ、香里が来るの久しぶりなんだもん」

「……………」

 香里はその言葉に胸が締め付けられる思いだった。

 だが、そうは思っても、禁断の欲望が自らの中から湧き上がっている事も事実だった。

 香里は静かに目を閉じると祈る。

…お願い…栞…来ていないで…

「ただいま〜」

 彼女の思いとは関係なく、名雪は元気に声を出すと玄関のドアを開けた。

 眼前にはいつもと変わらない風景が広がっている。

 そして、三人は家の中へと足を踏み入れていく。

「じゃぁ、お茶でも入れるね」

 名雪は二人にそう言うと、キッチンの方へと駆けていった。

「………………」

 祐一と香里は顔を見合わせる。

 そして、ほんの少しの可能性を信じ、階段を昇ろうとした。

「……………ぁ…」

 だが、その淡い望みは、一歩も昇ることなく打ち砕かれる。

 階段の上では、栞が嬉しそうにこちらを見ていたのだ。

 二人はもう逃げられないと言う事を悟る。

 こうして、悲しい時間が刻まれはじめた。






「あれぇ?祐一〜?香里?どうしたの?」

 しばらくの後、名雪が不思議そうな顔でリビングから顔を出す。

 テーブルの上には三人分のコーヒーが置かれていた。

 だが、一向に二人が降りてくる気配はない。

「どうしたのかな?」

 名雪はリビングを後にすると、静かに階段を昇っていく。

 すると、彼女は奇妙な違和感を感じた。

 何故か自らの部屋のドアが開いていたのだ。

…おかしいな…

 名雪は不思議そうに、その前まで足を進める。

「…香里?ここにいるの??」

 そして、親友の名を呼びながら、そっと自らの部屋を覗き込んだ。

 しかし、その瞬間、中から手が伸びると、それは強引に名雪を部屋に引きずり込む。

「わぁぁ…ぁ!?」

 彼女は弱々しく声を上げると、転がるように部屋の中へ倒れ込んだ。

「痛いよぉ〜」

「…すまんな」

「ひどいよ祐一ぃ…、あれ?」

 だが、名雪は部屋の中に意外な人間がいる事に気づく。





「こんにちは…お久しぶりです名雪さん」

「あ…、確か…香里の妹さん…」

「うふっ、覚えていてくれて嬉しいです」

「え?でも…どうしてここに…?」

「実はですね、見たいものがあったんですよ」

「……見たいもの………??」

 不思議そうな顔を浮かべる名雪を尻目に、栞は笑顔のまま話を続けた。

 それをじっと祐一と香里は見ている。

「それはですね…名雪さんが…エッチな事をしているところです…」

「え!?…あっ、嫌っ!」

 名雪は一瞬、栞の言葉の意味がかわからなかった。

 だが、その言葉と同時に祐一と香里に身体を掴まれ、その意味を理解する。

 そして、必死に抵抗を試みるが、あっという間にベッドに押し倒された。

「ぅう…や、やめてぇ…祐一ぃ…」

 名雪は自らを押し倒したイトコの名を必死に叫んだ。

 だが、祐一は戸惑うことなく、名雪の制服に手をかける。

…ビリィ…

「…………!!」

 繊維の引き裂かれる音と同時に、胸の部分に馴染みのない感触が広がった。

 それは祐一の手である。

 彼は解れた生地の端を引っ張ると、更にその切り口を広げていった。

 暖房が入っていない部屋の冷気が、剥き出しになった名雪の肌を冷やしていく。

「あぁっ…やめて…香里…助けてぇ…」

 名雪は必死に親友の名を叫んだ。

 だが、無言のまま香里は彼女の手を押さえつけている。

「…どうしてぇ…どうして…ぇ…」

 名雪は今も信じられないといった顔で、祐一と香里の姿を交互に見渡す。

 しかし、そうしているうちに、彼は完全に彼女のケープと上着を剥ぎ取ると、上半身の部分を完全に剥き出しにしていた。

 名雪はブラジャーに覆われた乳房を露出している。

 しかも、それは部屋にいる全員に見られているのだ。

 無意識に涙は頬を伝い、恥ずかしさに顔は真っ赤に染まる。

「さぁ、早く続けて下さいね」

 そんな矢先、楽しそうな栞の声が三人に響いた。

 名雪は困惑した顔を彼女に向けるが、他の二人はその声に促されるように動きはじめる。

「あぁ…や、やめて…香里…、祐一……」

 そして、彼女の叫びも虚しく、祐一は制服を止めるボタンを次々と引き裂いていく。

 香里は、名雪の肩に腕を絡ませながら、そっとブラジャーを外した。

「…ごめんなさい…」

「…え…あぁぁ…ぁ…」

 少女の控えめな乳房が完全に露出する。

 そして、香里はその剥き出しになった膨らみへ優しく手を伸ばした。

 同姓のしなやかな指先が、名雪の柔らかい乳房を掴み上げる。

「…やぁ…ぁ…ま、待ってぇ…」

 彼女は、その感触に声を絞り出すように叫んだが、その責めは次第に激しくなっていった。

 しかも、互いの汗が混ざり合い、引っかかるように乳房と指は絡み合っていく。

「…うぅ…どうしちゃったのぉ…」

 名雪は悲痛にも似た顔を浮かべながら香里を見た。

「…ごめんね…」

 だが、香里は再びそう呟くと、今度は剥き出しになった名雪の乳房へ顔を埋める。

 自分とほぼ同じ大きさの膨らみ。

 彼女は、それを顔全体で感じながら、その中央に突き出たピンク色の突起に舌を伸ばす。

…ちゅぷ…ちゃぷ…

 そして、音を立てながら乳首をゆっくりと舌先でこね回した。

「あぁ…やめて…やめぇ…ぇ…」


 名雪は初めて襲う感覚に戸惑いながら、恥ずかしそうに声を上げる。

 だが、香里の動きが止まる事はなかった。

 しかも、いつしか祐一は完全に制服を引き裂いており、今度は露出したショーツに唇を重ねる。

「…ひぃ…」

 股間に顔を埋められ、弱々しく息を漏らす名雪。

 しかし、すぐに祐一は舌を伸ばすと、うっすらと黄ばんだ生地を舐めはじめた。
 
 ショーツ越しに舌の動きが伝わってくる。

 それは、たっぷりと唾液に満たされており、ゆっくりと秘部へと伝わっていった。

 彼女は二人の責めに、じわじわと焦がされていく。

「はぅ…ぅ…やだぁ…汚い…よぉ…」

 激しい恥じらいと戸惑いが名雪を襲っていた。

 しかし、祐一は延々とショーツの上から彼女の秘部を舐め続ける。

 彼の唾液により、名雪の秘部はすっかり生地の上に浮かび上がっていた。

「どうして…どうして…なのぉ…」

 彼女は長い髪を乱しながら、涙声を上げた。

 だが、二人は何も答えない。

 そればかりか、次第に名雪を取り囲む二人の息は荒くなっていく。

 そして、責めまでもが容赦ないものへと変化していった。



「うぅ…やめて…やめてよ…いたっ…」

「………………」

 香里は時折、名雪の乳首を噛みながら、もう片方の乳房を荒々しく揉み上げる。

 祐一も濡れたショーツを引き裂くと、舌をねじ込むように秘部の奥へと伸ばした。

「あぁ…ぁ……ぁ…」

 名雪は二人の強引さを、息も絶え絶えに受け入れるしかない。

 果てしなく生々しい責めが続いた。 

 しかし、とうとう我慢しきれなくなった祐一は、不意に彼女の足を持ち上げると自らのズボンを下ろす。

「…ふぁぁ…??」

 体勢を崩した名雪の目に、祐一のはち切れんばかりに勃起している男根が飛び込んでくる。

 生まれて初めて見るイトコの部分。

 彼女は恐怖と恥ずかしさに目を白黒させた。

「…はぁ…はぁ…入れるぞ…名雪…」

 そして、祐一は静かに呟くと、自らの唾液に濡れた秘部へと男根を宛う。

 名雪の秘部に熱い感触が広がった。

 しかし、それは避ける事も防ぐ事も出来ない。

 彼は腰を沈めた。

「…ひぎっ…ぃ……」

 激しい痛みが名雪の身体に流れた。

 だが、しっかりと香里に押さえられ、その衝撃は余すところ無く体を伝わっていく。

 何かが裂けた異様な感触。

 そして、祐一が密着してくる度に、激しい痛みが伴っていく。

 それは、一方的なセックスだった。



「あはっ、祐一さんは強引ですねぇ」

 それを見ながら、栞は嬉しそうに声を上げる。

 合意無く交わっている二人に冷ややかな視線を向けながら。

 しかし、心は言いしれぬ満足感に満たされていた。





「…痛い…ぃぃ…痛いよぉ…」

 根元まで男根を埋められた名雪は必死に声を上げている。

 叫ばなければ意識を保っていられない気がした。

 だが、祐一は盛んに腰を突き立て、股間の痛みは延々と彼女を苦しめる。

 そして、それを示すかのように破瓜の血が尻を伝わり、シーツに汚していた。

「……うぅ…ぅ……」

 掛け替えのないものが、自らが想った相手に望まない形で奪われていく。

 名雪は泣くしかなかった。

 しかし、そんな彼女を今度は親友が苦しめはじめる。

「…名雪…、私…も…」

 祐一と名雪が交わっているのを見ながら、香里はそう呟いた。

 その顔はすっかり上気している。

 そして、彼女は立ち上がると名雪を跨いだ。

「…ふぇ…ぇ…」

 名雪は、自らの頭上に被さる香里の下半身を見て驚きの声を上げた。

 親友のスカートの中はすっかり濡れた肉が剥き出しになっていたのだ。

 そして、その濡れた秘部からは、今にも愛液が垂れ落ちそうになっている。

「…もう…我慢出来ない…の…」

 香里は犯されている名雪を見下ろしながら、だらしない顔で自らの制服の裾を握っていた。

 普段の精悍な彼女からは想像もつかない表情。

 名雪は、苦痛に耐えながらも、変わり果てた香里に心を痛める。
 
 しかし、そんな彼女を更に苦しめるかのように、香里はゆっくりと腰を沈めはじめた。

 生々しい匂いと共に、濡れた肉が名雪に迫る。

 そして、すぐにそれは彼女の口を塞いだ。

「…ふごぉ…ぅぅ…」

 激しい悪臭と、想像を超える熱気。

「ふぐぉ…ぉ…ぐはぁ…」

 名雪は初めて嗅ぐ同姓の秘部と感触に、目を丸くしながら叫んだ。

 だが、しっかりと股間が押し付けられ、声が声にならない。

 しかも、すぐに香里の愛液と、生臭い粘液が口に流れ込む。

「…ふぅぅ…ぅ…ぅ…」

「あぁぁ、名雪…いいわ…、もっと吸ってぇ…」

 香里は苦痛の息を漏らす名雪を余所に、ただ感じていた。

 皮肉にも名雪が叫べば叫ぶほど、その衝撃で彼女の秘部には快感が流れていく。

 そして、腰を振るたびに得体の知れない汚液が口へと注がれていくのだ。

 そんな異様な時間が延々と続く。





 外は少しずつ薄暗くなっていた。

 栞は、名雪のお気に入りであるカエルの人形を抱きながら、飽きることなく目の前の光景を見ている。

 いつしか、股間はすっかり濡れていた。

 そして、二人も休む事なく名雪を弄んでいる。

「あぁ…名雪のマンコ…しまるぅ…」

 激しく腰を突き立てる祐一には、既に後ろめたさはなかった。

「もっと…もっと奥まで舐めってぇ…」

 同じく香里も理性は失われていた。

 二人は目の前の欲望だけを求め、ただ名雪の身体を貪り続ける。

 名雪の口には、香里の秘部から流れ出た汚液が溢れるほど溜まっていた。

 必死に吐き出そうと試みるが、痛みと圧迫感にそれは叶わない。

 そればかりか、その白みがかった液体は延々と秘部から零れ、名雪の口へと流れ込んでいく。

「ぐちゅぅ…くわぁ…ぁ…」

「あら、名雪…いっぱい溜めちゃってるのね」

 香里はそれを見て、不思議そうに言った。

 名雪は何とかそれを吐き出したいと、必死に目で訴える。

「いっぱい飲んでね…、相沢君のザーメンなんだから…」

 だが、返ってきた答えに彼女は絶望した。





…香里と祐一が…




 名雪の中から得体の知れない感情が止めどなく湧き上がってくる。

 それは、大事な人間に犯されたショックで弱っていた彼女の精神を狂わすには十分だった。

 ゆっくりと心にヒビが入っていく。

…祐一…

…どうして…

…でも…

…私は…

……………

 そして、すぐにそれは粉々になった。

 名雪の瞳がゆっくりと曇っていく。

 溜まっていた精液は躊躇いもなく彼女の胃へと嚥下されていった。

「はぁ…はぁ…名雪…美味しそうに飲んでるわ」

「へへ、じゃあ俺も…下の口でも飲ませてやるぜ」

 二人はそんな名雪の変化に気づくことなく、今も腰を振り続ける。

…びゅる…びゅく…

 そして、祐一は勢いよく彼女の膣へと射精した。

 吐き出された精液は、内側から膣壁を染めていく。

 だが、名雪はそれに反応することなく、身体だけが反射するかのようにピクピクと動いていた。

「私も…イっちゃうぅ…」

 香里もほぼ同時に、名雪の緩んだ口で絶頂を迎えていた。

 生温かい愛液が、ゆっくりと彼女の口へと流れ込んでいく。

 だが、名雪はそれにすら反応する事はなかった。

「…あれ…ちょっと変ですね…?」

 それに一番はじめに気がついたのは栞だった。

 そして、彼女の反応を見て、二人も異変に気づく。

「な…名雪?」

 祐一は血に染まった男根を引き抜くと名雪を見た。

 しかし、名雪はこちらに反応する事はない。

 ただ、すっかり生気が失われた目で、天井を見上げているだけだった。

 だらしなく口を開き、涎と愛液を垂れ流しながら。


「…そ、そんな…」

 香里は戸惑いを浮かべたまま、名雪の顔を撫でた。

「名雪…おい…なゆき…」

 祐一も彼女の肩を揺すってみる。


 だが、名雪が正気に戻る事はなかった。



 部屋は静けさと後味の悪さに包まれる。

 この部屋に母親の悲鳴が響き渡るまで。
 





つづく