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■恋心■

 

 

 




             




穏やかな時間が流れている。

部屋こそ薄暗く、雨の音だけが聞こえていたが、二人にとっては関係の無い事だった。

乃絵美と純一は向き合いながら、止めど無く会話に花を割かせている。

それだけで乃絵美は楽しかった。

だが、不意に純一の顔が固くなる。

「…どうかしたの?」

乃絵美は、その変化に気がつき問い掛けた。

「………」

だが、純一は何も答えない。

「…長沢さん?」

乃絵美は胸が締めつけられる思いだった。

もしかして、自分が気を悪くさせてしまったのか?

不安感が頭を過ぎった。

だが、純一は覚悟を決めたように、乃絵美を見ると、ゆっくりと口を開く。

「実は…伊藤にしてもらいたい事があるんだけど…」

「…え?何かな…?何でもするよ…」

すっかり純一の虜と化していた乃絵美は、その言葉に不信感を抱く事も無く快諾した。

すると、純一は、ゆっくりと席を立ち、乃絵美の方へ足を進める。

…あ…

それだけで乃絵美は蕩けてしまいそうな心地だった。

そして、乃絵美の隣の席に座ると、純一は席ごと乃絵美の方を向く。

乃絵美も頬を赤らめながら、純一の方を向いた。

………

乃絵美は本能的に、キスかと思った。

そして、それは自らも望む行為でもある。

だが、純一の望みは別のものだった。

指を下の方に向ける。

「ここ…舐めてくれない…か?」

そして、その指の先は、彼の股間だった。

「…え…?」

乃絵美は時間が止まったように固まる。

すぐに純一の意図は理解したが、彼女にとっては想像もつかない行為だったからである。

…おちんちん…?

乃絵美はその言葉を恥ずかしそうに心で呟くと、戸惑った顔で純一を見る。

しかし、純一は冗談を言っているようには見えなかった。

「やっぱりダメかな…そうだよな…」

だが、乃絵美が反応しないのを見るや、純一は残念そうに呟く。

…え…?…長沢さん…

しかし、乃絵美はその純一の態度に心が切り刻まれる思いだった。

何でもすると言っておきながら、戸惑っている自分に情けなさを覚える。

そして、何より純一が自らから離れてしまう事が恐くて堪らなかった。

乃絵美は咄嗟に声を上げる。

「ま、待って…そうじゃないの…」

「…そうじゃないって?」

「どうしていいか…わからないだけで…」

視線を向ける純一に、乃絵美は恥ずかしそうに答える。

「じゃあ、俺の言う通りやってくれる?」

「…うん」

乃絵美に断わる理由など存在しなかった。



「じゃあ、脱ぐから」

純一はそう言うと、ベルトを外し、ゆっくりとズボンを下ろす。

ズボンの下からは白いブリーフが姿を見せた。

「………」

だが、それを見て乃絵美は目を丸くする。

見慣れていないというものもあったが、それ以上に、純一のブリーフが汚かったからであった。

とても、白い素材とは思えぬほど煤けており、股間部分には異様なまでに黄色い汚れが
こびり付いている。

しかも、そこからは耐え難い匂いが立ち込めていた。

まるで公衆便所のようだった。

「汚いかな?」

「…う…ぅぅん…」

乃絵美の表情を察した純一が探るように聞いてきたが、彼女はすぐに否定する。

ただ、純一の気を悪くさせないのに必死だった。

「じゃあ。匂い嗅いでみてよ」

しかし、純一はそんな乃絵美に、ブリーフに顔を近づけるように促す。

「…う…ん」

乃絵美は恐る恐るだが、素直に顔を近づけた。

悪臭が痛いほど鼻に刺さる。

だが、乃絵美の純一への思いは、その程度では揺らぐ事はなかった。

…純一さんのため…

そして、乃絵美はほとんど鼻が付くくらいまでブリーフに顔を寄せる。

匂いは最高潮に達し、判別出来ない程だった。

同時に男根が発する熱も、乃絵美の肌を照らす。

「…いいよ伊藤…。それじゃあ、俺のチンポ見せるね」

そして、純一は満足そうな顔を浮かべると、その薄汚れたブリーフを脱ぎはじめた。

だが、乃絵美の前に顔を見せた男根は、ブリーフなど比較にならない程、無惨なものだった。

純一の男根は見事なまでに皮に覆われており、多少勃起しているにも関わらず、先端の巾着は
しっかりと口を閉じている。

しかも、その先端からは、うっすらと透明な液が漏れていた。

それは、皮全体に染みており、あちこちには汚れとなってこびり付いている。

「…ぅぅ…」

再び、乃絵美を気持ち悪さが襲った。

だが、未だその感覚は純一の存在と重なる事は無い。

「まずは両手で優しく掴んでみてよ」

そして、有無を言わせず、純一から指示が飛ぶ。

「うん…」

乃絵美は戸惑いながらも、ゆっくりと手を伸ばし、その半立ちの男根を握った。

それだけで、男根は一気に硬さを持ちはじめる。

竿の部分の血管が一段と太くなり、おぞましさが倍増して行く。

しかも、そうなっても皮は剥ける事なく、先端は見事なまでに閉じていた。

乃絵美は息を呑む。

だが、彼女が戸惑っているのは純一の男根の形ではなく、表面の汚れと、そこから発せられる
おぞましい匂いだった。

そもそも、乃絵美の知識として、男が青年になると男根の皮が剥けると言うものはない。

兄や父の男根を見た事がない為であった。

「それじゃあ、次は先端を舐めるんだ」

「うん」

乃絵美は言われるが侭に、純一の巾着に口をつける。

すると、巾着の先から、生暖かい粘液が乃絵美の口の中へ流れ込んできた。

もちろん、未知の感覚と味覚だった。

「…ぅ…じゅる…」

乃絵美は吐きそうになったが、必死にその気持ちを押さえ、巾着に舌を這わせた。

…だめよ…乃絵美…

長沢さんの…お…ちんちん…なんだから…

汚くない…汚くない…

そして、何度も心で繰り返しながら、次第に舌使いは濃密さを増して行く。

「伊藤、上手いな…。じゃあ、その調子で口いっぱいに頬張ってよ」

純一は満面の笑みを浮かべると、次の行為を促した。

乃絵美はすぐに実行に移す。

真性包茎の割には、純一の男根は長さを保有しており、乃絵美は全てを頬張る事は
できなかった。

それでも、彼女は必死に男根を口に収める。

巾着からは、更に大量の粘液が溢れだし、乃絵美の唾液と混ざり口を侵蝕した。

「…あぁ…さっきのオナニーの時のザーメンがみんな出てる…」

純一は悩ましそうに呟く。

そして、乃絵美に種明かしをはじめた。

「遅れたのは、伊藤の事を思って…便所でオナニーしてたんだよ…。1回で止めるつもりが
2回もしたんだ…」

純一はどことなく誇らしげだった。

だが、乃絵美にとっても、この一言は意外な効果を発揮する。

…長沢さん…

自らの事を思っていてくれた。

その事が、乃絵美の気分を楽にする。

既に、汚いと言う感覚は麻痺していた。

…じゅる…

乃絵美は、まるでアイスクリームでもしゃぶるように、その薄汚れた男根を嬉々として
しゃぶった。

口にたまった汚液も、全て飲み干す。

今の乃絵美にとっては、当然の行為だった。

「あぁ…またイキそうだ…」

そして、その奉仕とも言える行為は純一を一気に絶頂に導く。

…びゅるるる…

男根が乃絵美の口の中で跳ね、再び熱い液体が彼女を満たす。

…あぁ…あったかい…

乃絵美はそれを虚ろな目で感じると、何の抵抗もなく嚥下する。

…ごく…

そして、あっという間に全てを飲み干した。

すると、純一は気持ち良さそうな顔で最後の仕上げを希望する。


「じゃあ…最後に溜まってるのも吸出してよ…」

もちろん、すぐに乃絵美はそれを叶えた。

…じゅる…

巾着をストローのように咥えると優しく吸い上げはじめる。

皮の中に溜まっている汚液が、一気に乃絵美の舌に流れた。

それは粘液だけでなく、分解した水分や、逆に濃くなり固形に近いものもある。

しかし、それを乃絵美はいとおしく飲み干した。

抵抗は感じない。

むしろ、得体の知れない感覚が自らを襲っているのがわかった。

それは、恥ずかしくも心地よい感覚だったが、乃絵美はその事には気づかず、単に純一が
笑顔で見つめてくれているからだと思った。

「すごいぞ…伊藤…」

純一は、そんな彼女を嬉しそうに見つめる。

そして、彼も乃絵美とは違う不思議な感情が湧きあがっていた。

それは次第に二人を包んでいく。




* * *

「………」

乃絵美は湯船に浸かりながら、先ほどの行為を思い出していた。

…長沢さんのあそこ…

彼の見事に皮を被った男根、そして、汚れたブリーフや臭い精液。

乃絵美の頭には、そんな異質なものばかりが交差している。

…どうしちゃったんだろ…?




だが、乃絵美に嫌悪感はなかった。

そればかりか、普通なら想像するだけでも、気持ち悪さが込み上げて来る光景だったが、
むしろ妙な愛着まで感じている。

そして、いつの間にか手は秘部に伸びていた。

…長沢…さん…

彼のおぞましい包茎で秘部を貫かれる事を想像しながら、乃絵美は悶える。

感度は昨日の非ではなかった。

愛液は止め処なく溢れ、指を濡らす。

すぐに絶頂は訪れた。

「あぁ…ぁぁぁぁあ…ん…」

乃絵美は、恥ずかしげも無く声を上げる。

そして、淫らに大股を広げると、浴室の床に倒れ込んだ。

…明日…楽しみだな…

再び純一が自らを求めるのを心待ちにしながら。






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